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シリーズ・大学受験を読む(2)ー公立進学校が医学部・東大にこだわるワケ

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シリーズ・大学受験を読む(2)ー公立進学校が医学部・東大にこだわるワケ

みんなの学校新聞編集局 
投稿日:2015.10.01 

さて今年は群馬から何人の東大合格者がでるのか?

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 毎年、受験シーズンが終わると、サンデー毎日や週刊朝日などの週刊誌で、東大など主要大学の高校別ランキングが発表される。県内でも「前高は今年、東大何人だったよ」といったことが話題に上る。とりわけ、東大と医学部の合格者は大きくクローズアップされ、高校側も実績がいいと、大々的に宣伝する。

前橋高校・高崎高校・太田高校などのトップ高では、東大合格者数や医学部の合格者数でしのぎを削っているような印象も受ける。

 

 ある塾関係者は「東大や医学部の数がそのまま募集に直結します。特に全県学区になり学区が撤廃されたため、優秀な生徒にどれだけ振り向いてもらえるか、各高校とも必死です」とトップ高が東大・医学部の数にこだわる理由を分析する。

 たしかに、東大や医学部、旧帝大の合格者数はその高校のブランド力にもなる。受験生やその保護者に与えるインパクトは絶大だ。

 高崎高校が東大合格者数が3名に落ち込んだ年、高高では県内の塾関係者を集め、説明会を開いた。かつて公立のトップ高が塾関係者に進学説明会を開くなど前代未聞だった。それだけ、「高高ショック」は高崎高校関係者の中で重く受け止められ、危機感を募らせた。中央中等の躍進も少なからず焦りにつながっていたように思う。

 

 「県立高校がこれほどまで東大・医学部の数にこだわるのは、単に生徒募集の側面だけではないんです」と話すのは、全国の公立高校でコンサルタントをしてきたA氏。A氏は匿名を条件に、その実情をこう話す。

 「実は県教委には東大、特に文Ⅰ(法学部)と医学部の人数にはノルマ的な人数が設定されています。ある一定数はその都道府県から出さなければいけないのです」。

 地域医療の確保のために医学部出身者を輩出する必要があるし、東大文Ⅰであれば、キャリア官僚になる確率が高い。「キャリア官僚を輩出できれば、県と中央政界との太いパイプができます」とA氏。公立高校の東大・医学部合格者数に対するこだわりは地方自治体の政策的側面が強いというわけだ。

 

 今年7月、総務省のトップ人事が発表され、最高位のポストである事務次官に櫻井俊氏が就任した。櫻井氏は嵐の櫻井翔さんの父親としても知られている。キャリア官僚の息子が売れっ子芸能人ということで、夏にはメディアでも大きく取り上げられた。

 そして、この櫻井氏は群馬県立前橋高校のOBでもある。前高卒業後は、東大法学部に進学し、郵政省(現・総務省)に入省。総務審議官などの要職を歴任したキャリア中のキャリアでもある。こういう人材を県として輩出できれば、人脈的にも中央政界と強固な関係が築けるというわけだ。

 「群馬県で言うと、栃木県や長野県、新潟県などの近県の地方公立トップ高の動向はものすごい意識してますよ。どこかが成功モデルを出せば、すぐにその情報を欲しがります。それくらい、地方同士で熾烈な競争をしています。」(A氏)

 ちなみにWebサイトの「都道府県別統計とランキングで見る県民性」によれば、過去5年(2011年~15年)の東大合格者数は、群馬県は26.8人。栃木県は27人、長野県は26.2人、新潟県は23人。たしかにしのぎを削っている。

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