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【熊倉先生・特別寄稿】小学生にもわかる上野(こうずけ)三碑❶ 世界の記憶・上野三碑

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【熊倉先生・特別寄稿】小学生にもわかる上野(こうずけ)三碑❶ 世界の記憶・上野三碑

文化

みんなの学校新聞編集局 
投稿日:2017.11.09 
tags:群馬学 熊倉浩靖教授, 上野三碑 世界の記憶

 群馬の上野三碑が「世界の記憶」に選ばれました。とはいえ、上野三碑についてよく知らないという人も少なくないはずです。今回、群馬県立女子大学教授・群馬学センター副センター長の熊倉浩靖先生が「小学生にもわかる上野三碑」というテーマで、特別講義をしてくださいました。

 

群馬黒
 「群馬の上野(こうずけ)三碑、世界の記憶に」というニュースを聞いたと思います。「上野三碑って何?」「世界の記憶って何?」と思ったでしょう。


 ユネスコ「世界の記憶」とは?
 ユネスコ(UNESCO)のことは聞いたことがありますね。国連(United Nations)の教育(Education)・科学(Science)・文化(Culture)をになう機関(Organization)です。


 ユネスコ活動の中に、私たち人類が作って来た様々な文化や文明を人類共通の財産として守り学び活かしていこうという事業があります。世界遺産、無形文化遺産、世界の記憶の3つから成り立っています。


 世界遺産にはピラミッドや万里の長城など、世界的に有名な遺跡が選ばれています。日本でも、法隆寺や奈良・京都のお寺やお社、日光、富士山など、修学旅行で訪れる場所が選ばれています。富岡製糸場と絹産業遺産群の登録で身近になっています。

 

 無形文化遺産には能や歌舞伎、文楽、和食、和紙やお祭りなど、民族固有の芸能や工芸、習俗が選ばれています。


 それに比べて、世界の記憶は初めて聞いたという人も多いでしょう。人類の歴史の上でかけがえのない文書や銘文、様々な記録が対象です。古いコインや切手なども含まれます。


 実感がわかないかもしれませんね。2つの例をあげましょう。「ベートーヴェン交響曲第9番自筆譜面」と「アンネの日記」です。第9は毎年、何億という人が歌い奏で聞いています。アンネの日記は世界各国の言葉に訳されています。ベートーヴェン自筆の譜面とアンネが書いた日記の原本。なるほど人類のかけがえのない財産です。


 上野三碑は、人類にとってかけがえのない財産の一つと認められたということです。

 


 上野三碑とは?
 上野三碑の「上野」は群馬県地域の古い言い方ですが、どうして「上野」と書いて「こうずけ」と読むのでしょうか。
群馬県地域は、飛鳥時代には「かみつけの」と呼ばれ「上毛野」という漢字が当てられました。「かみつけの=上毛野」なら理解できますね。

 

 奈良時代に入る頃から地名は漢字2文字で表そうということになり、「上野(かみつけの)」という表現が採られました。読み方には「け」があるのに、書き方からは「毛」が消えました。続いて書き方には「野」があるのに、読み方からは「の」が消え「上野(かみつけ)」となりました。さらに読みが「かみつけ」→「かんづけ」→「こうずけ」と変化し、「上野」と書いて「こうずけ」と読むようになりました。ですから、上野三碑は群馬にある古い3つの碑という意味です。


 完全な形で残っている日本最古の石碑・山上(やまのうえ)碑(681年)、上毛かるたに「昔を語る多胡の古碑」と読まれた多胡(たご)碑(711年)、そして金井沢(かないざわ)碑(726年)です。高崎市郊外の半径1.5㎞の地に集まっています。日本最古の石碑群です。


 そんな古い碑は読めないに違いない。書かれていることは現代の私たちとは関係ない。そう思うかもしれませんが、全く違います。小学校高学年か中学生なら、つまり君たちなら読むことができます。書かれていることも現代につながることばかりです。次回から、それぞれの碑にそって一緒に読みながら考えていきましょう。

 

群馬黒

●熊倉浩靖教授プロフィール
 群馬県高崎市生まれ。京都大学理学部中退。シンクタンク勤務を経て、群馬学センター設置に伴い副センター長に就任。専門は日本古代史、社会教育、行政評価、地域づくりの多岐にわたる。
 主著「増補版 上野三碑を読む」(2017年・雄山閣)、他に「日本語誕生の時代 上野三碑からのアプローチ」(2014年・雄山閣)「井上房一郎・人と功績」(2011年・みやま文庫)「古代東国の王者 上毛野氏の研究」(2008年・雄山閣)編著に「群馬県謎解き散歩」(2013年・新人物文庫)など。

 

 

熊倉先生の上野三碑について書かれた新刊書「増補版 上野三碑を読む」

 

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