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義務教育に複数の道を─桐生市に「ネクステージスクール」開校へ

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義務教育に複数の道を─桐生市に「ネクステージスクール」開校へ

教育全般

みんなの学校新聞編集局 
投稿日:2021.10.07 
tags:オルタナティブスクール, 不登校

「新たな学びの場を目指したい」と語る高澤典義さん

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 小・中学生を対象にした“もう一つの学校”「NEXТAGE SCHOOL(ネクステージスクール)」が10月、桐生市錦町一丁目(セブン―イレブン錦町店向かい)に開校する。不登校の児童・生徒はもちろん、速すぎる授業に不安がある、学校生活に生きにくさを感じる、もっと主体的に学びたい…。そんな子どもを対象に、デイスクールとアフタースクールの2部門で少人数教育を展開する。1人1台のノートパソコンなど学習環境の整備は終了し、体験授業を実施中。同校代表で元公立学校教員の高澤典義さん(40)は「日本の義務教育には選択肢が少ない。ミスマッチを感じた子どもが別の道を選べるようになれば、現状の学校教育を補完することもできる」と目標を掲げる。

 

錦町に“もう一つの学校” 高澤さん「ミスマッチの補完を」

 ネクステージスクールは本町通りに面したТCビル2階にあり、教室の広さは約50平方㍍。12台の机はパソコン付きで、黒板としても利用可能な黒い壁面を採用するなど、趣向を凝らしたつくりが特徴。2方向に大きな窓があり、風通しもいい。設立には県の創業支援事業を活用した。


 代表の典義さんは桐生市東出身で、桐生高校から関西大学に進学。卒業後、社会科教員として県内の小・中・特別支援学校・日本語学校などに勤務した。

 

 2年前、体調を崩したのを契機に、自分にとっての理想の教育のあり方を再考、「今の学校教育では難しい。ならば自分で新たな教育の場をつくろう」と一念発起。妻の良子さんと2人の子どもの賛同も得て、準備を進めてきた。

 

 思い描いたのは海外の「オルタナティブスクール」、つまり「もう一つの学校」という仕組み。「カリキュラムや指導がしっかりしていれば、海外では義務教育段階から民間運営の学校を選択することができる」。選択肢の少ない日本とは大きく異なる。

 「教育に選択肢を、人生に革命を」を目標に、ミスマッチを感じる子どもが選べる少人数教育の「学校」を目指した。

 

 授業はデイスクール(午後1時半~同3時半)とアフタースクール(午後4時~同10時、1こま50分)の2本柱。進学に必要な5教科を学ぶ基礎学習のほか、個人の興味や関心に応じて学びを深める探求学習を提供する。


 学校現場ではIТ導入が急速に進むが、「道具として使いこなせない子どももいるはずで、つまづきの元は増えている。そこも補完したい」と、典義さんは話す。妻の良子さんも小学校英語指導者資格(J―SHINE)を取得。夫とともに子どもたちを指導する。

 

出席日数扱いなど 環境づくり目指す


 2017年に教育機会確保法が完全施行され、義務教育の子どもたちが既存の学校以外でも普通教育を受けられるよう、自治体の対応が問われる時代となった。


 典義さんは「ここで学べば出席日数扱いになるなど、子どもにとってプラスとなる環境づくりを目指したい。まずは実績を積めれば」と話す。

 

 見学なども可能。問い合わせはネクステージスクール(電0277・88・9302、平日午後1時半~同10時、メールnextageschool21@gmail.com)まで。ホームページ(https://schoolnextage.com/)も参照を。

 

 

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