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【集中連載】サンタはゲームをくれなかった(3・最終回)

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【集中連載】サンタはゲームをくれなかった(3・最終回)

子育て

みんなの学校新聞編集局 
投稿日:2017.02.15 
tags:ゲーム依存, ゲーム機, 子育て, 小学生, 悩み, 陰山英男

子供にゲーム機を与える際、注意すべき3ポイントを陰山先生は説く

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■家庭でのルール作りが大切

「うちはいまだにゲーム機とiPod touch9時に親に渡すようにしてるよ。あと、ゲームは30分やったら止める。続けてやらないとか、宿題と自主勉やってからとかね」

  家庭でのルール作りの大切さを、館林市の詩織さん(仮名・40代)も訴える。

 

 昨年まで県内の公立中学で教員をしていた塚田裕子さんも、親が子供としっかり約束し、管理を徹底してくことの重要さを説く。

ゲームにしてもスマホにしても、与える際に、約束を守らないのであれば取り上げるということを含めて、時間や使う場所などについてきちんと約束すること。そして、約束を守らなければ本当に取り上げることは鉄則でしょう」。

 

 塚田さんの息子二人は県内の進学校から京都大学に進学している。子供にゲームなど買い与えなかったのではという記者の素朴な疑問に、「今の時代、子供にゲームを買い与えないで通すことはとても難しいと思います。私も自分の子供たちが欲するがまま、ゲーム機もソフトも買い与えてきたほうだと思います。上の子のママ友にソフトを見せたら、そのあまりの多さにひかれたこともあります」と笑いながら話す。

 下の子は、上の子の影響でよその家庭よりもゲーム機も携帯も早い時期に与えたそうだ。それでも、子供たちは依存することなく楽しくゲームと付き合い、携帯を便利に使っていたと振り返る。

 

■試される「親子関係」

 子供をゲーム依存にさせないためにはどうすればよいのか。子供とゲームの関係ではなく、土台となる親子の関係がいかにきちんと築かれているかということがポイントになると塚田さんは力説する。

「『言うことをきかない』ではなく『言うことはきかせる』という親の意志が必要。『もうゲームはおしまいだよ』と母親が言ってるのに、子供は空返事で全然やめる気配がないという風景を見ますが、『やめろ』と言ったらやめさせなければいけないのです。『ダメなことはダメ』ということをうんと小さいころからしっかり根付かせれば、親の言うことをきかないなんてことにはならないと思うのですが…」

 塚田家の場合、子供二人が時間に気づかずゲームで遊んでいるときには、声をかけて、次の行動を具体的に促す(お風呂に入る、宿題を片付けるなど)ように工夫したそうだ。

 

■陰山先生 伝授「ゲーム機を与える際の3ポイント」

 百マス計算で知られる立命館大学教授の陰山英男氏は、以前から子供のディスプレー依存について警鐘を鳴らしてきた。陰山氏は、みんなの学校新聞の取材に対し、子供にゲームを買い与える場合には次の3つのポイントに注意すべきだと助言する。

「1つ目は時間を決めること。約1時間以内が理想です。 そして2つめはソフトは親と相談すること。 3つ目はルールを守れない場合は、取り上げること。この3つで一番重要なのは、3ですね。ここを押さえれば有効です」

 

 ゲーム機の普及率が8割を超す中、買い与えないという選択肢は難しい。だからこそ、家庭内のルールをいかに徹底していくが要のようだ。

 

■サンタがやってくる前に

 利江子さんの息子はもうすぐ小4だ。お金がたまったら買ってもいいよと言った息子の貯金はもう少しでゲームが買えるくらいまで貯まってきた。お年玉貯金だ。

「共働きで子供に関われる時間が制約されているので、どれだけルールを徹底できるか自信がないけど、そろそろ潮時かなとは思います。サンタが来る前には、多分、買ってあげることになる気がします。子供の努力は認めてあげなければいけないですもんね」。

 

(取材 編集部=峯岸武司)

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