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今夜は眠れない! 群馬県公立入試 社会「独断と偏見」予想

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今夜は眠れない! 群馬県公立入試 社会「独断と偏見」予想

みんなの学校新聞編集局 
投稿日:2017.03.06 

 ニュース記事として書こうかどうか悩んだが、コラムページにアップすることにしました。これはあくまで個人的な見解だからです。今日、この日まで公開しなかったのも、入試前で影響力が大きいことを配慮してのことです。前にも書きましたが、出なかった時の責任は負えないですしね。「このサイトにこんなこと書いてあるよ~」なんて噂が広まって、的外れな内容だった時に苦情や批判のメールや電話をいただくのは怖いので(笑)。炎上しちゃったら、耐えられないですしね。受験生を指導する立場として、ナーバスになっている中3生や何かと不安な保護者のみなさまを翻弄するようなことはしたくないという思いがあります。「みんなの学校新聞」も、67,000PV/月、16,000UU/月のサイトになっています。サイトの成長は、書くことへの責任の重みが増すことだと実感しています。

 

 ただ、自分は社会を教える立場として、毎年、それ相応に労力を割いているので、ちょっと予想したことを入試前に垂らしておきたいんですよね。単なる山っ気なんですけど。外れたら恥をさらすことになるし、当たったら心の中でガッツポーズ! 出題者氏と真っ向勝負したいんです。前日のこの時間なら許されるだろうと、書いてみることにしました。

 

 ちょっと長めですが、興味のある人はぜひ!

 

○世界地理
 昨年は南アメリカとアフリカに関する問題が出題された。
 今年度注意したいのは、EUか。ここ数年、2地域をからませて来るパターンが多いから、ここと絡ませるとすると、西アジアか東南アジアか。公民で東南アジアの市場について触れる問題が出されたので、出題は微妙ではあるが、地域主義という観点は残っている。昨年は地域主義が何かと世界で話題になった。その意味で、TPPやFTAというワードも念のため。個人的には一服感はあるが、EU域内の格差の問題も引き続きマークだろう。

 イスラム教、キリスト教などの世界宗教についての知識確認も重要だ。新教科書では、キリスト教はカトリック、プロテスタントなどの細かい宗派も取り上げている。特にインバウンドでイスラム教徒に向けたハラル認証が話題になっている。自分的にはずいぶん前から推してきたが、おととしは愛媛で、昨年は山梨と鹿児島でこのテーマで出題された。今年は宗教は推しだ。その観点では、インドなども穴場かもしれない。
   対蹠点を求める問題や緯線・経線の長さを問うような問題も全国的には流行り。飛行機をからめた時差の問題、排他的経済水域(これは、日本が島国のため国土面積が狭いわりに経済水域が大きいことをアメリカなどと比較させる記述や排他的経済水域の範囲を示させる問題など)も押さえたい。
 国で言うと、たとえばトルコやベトナムと言った子供には身近ではない国を出してくるかもしれない。

 
○日本地理
 旧教科書の時代は特定の県・地域の特色を問う形式だったが、おととしから新教科書世代に完全移行し、「東北地方」というくくりになった。そして、昨年は「中国・四国」と「北海道」。このまま「地方」シリーズで行くとしたら・・・。

 「九州地方」 北九州は割合とネタが多い。まず八幡製鉄所。その成り立ちについて。エコタウン構想も面白いネタかも。北九州空港と福岡空港の比較の問題がどこかの県で出題されていた。それから、佐賀の二毛作。こういう問題は年間の収穫時期とからめて出されると弱い。あくまで二毛作という用語ではなく、二毛作の仕組みを問う問題。軍艦島というテーマもありかも。南九州が来るなら、畜産やシラス台地か。

 「中部地方」 北陸は新幹線開通で話題性あり。金沢は要マークか。古都としてもネタは豊富。歴史と絡めて加賀の一向一揆というのもある。金箔を出していた県もあった。中部と言えば、中京工業地帯で自動車。もちろん、それはそれで押さえておいた方がいいが、変化球を好む群馬県は、少し視点をずらしてみてもいいかも。たとえば、観光農園・電照菊の栽培は日の当たらないワードではある。金沢の無電柱化は去年、オリジナルで作問した。景観を保護するという以外に防災の観点もあるから面白いネタだと思う。
 
 で、ここで残されているのは「九州」「近畿」「中部」「関東」だ。この流れで行くとすれば、「九州」「中部」で決まりか。次点で「近畿」か。「関東」はなじみがあるから、仮に出たとしても対応はできそう。

 とはいえ、出題者側の視点に立つならば、これだけ予想の立てやすい流れを作るかどうかということだ。考え方によっては、この4地方を集中的にやらせれば、ヤマがはれる。自分が出題者だったら「塾」をいじめてやりたい衝動に駆られると思う。たとえば、地域別でなく、昭和型の全国から5つくらいの都道府県をピックアップするタイプに回帰する可能性もある。出題者的にはこちらのほうが幅広く出しやすいし、ヤマは張りにくい。したがって、昨年を踏襲しない可能性もあることを片隅に入れておいておいた方がよい。この方向で行くならば、新幹線の通っている都道府県や空港のある都道府県をテーマにすることもできる。時間地図の問題や空港の問題も他県での出題例はある。この視点も持っておきたい。
 地形図も怠れない。面積を求める問題や三角州・扇状地の違いもしっかりとおさえたい。

 
○歴史
 歴史の前半は、ワカタケルがいよいよ来るか。鉄剣ははやっている。意表をついて、旧石器の岩宿遺跡とかでたりして。平安の浄土信仰も押さえておきたい事項だ。

 今年も海外とのつながりは主軸になるはず。その視点では、ローマ帝国、シルクロード、宗教改革とザビエル、堺、天正遣欧使節、幕末あたりは押さえたいところ。
 シルクロードでいえば、遣唐使との絡みで、日本にも西方の文化が入ってきたという観点、宗教改革は「ザビエルがアジア・日本を布教した背景」、堺は自治都市として栄え、南蛮貿易で富を築いた。鉄砲との絡み、織田信長との絡みなどテーマは少なくない。
 
 自分的には幕末が一番あやしいと思っている。日米修好通商条約以降の海外との貿易。アメリカの貿易取扱高があまり増えなかったのは、国内で南北戦争が起こった影響だというのはずっと推している。幕末といえば、安政の大獄~戊辰戦争までの流れは要注意。尊王攘夷は書けるようにしたい。
 「泰平の眠りをさます・・・」がおととし石川県で出題されたが、こういう真新しい視点は群馬でも仕掛けてくる可能性がある。

 鎖国は指導要領改定で話題になったが、実はそれ以前にもすでに教科書は「鎖国」から足を洗いつつある。全国的にも、対馬藩・薩摩藩・松前藩と諸地域との外交ははやりで、出てもおかしくない。「対馬藩」は中でも押し。地理との融合で、大問1で九州と絡めやすい。朱印船貿易は数年前から推しているが、こちらもなかなか出てくれない。そろそろか? 江戸は文化も、におうんだよな。

 時代区分や世紀についても確認したい。時代区分とは「古代・中世・近世・・・」といった分類だ。

 近代に入って、明治維新~日清・日露戦争あたりは要マーク。明治維新でいえば、版籍奉還と廃藩置県の違い、日清・日露は賠償金の有無が国民感情に影響を及ぼしたという切り口はあやしい。地元の内村鑑三なんてのもあり。上毛かるたもいい素材だと思うんだけどなあ。ワシントン会議はちょっとした流行り。
 郷土史的には利根川の水運というのは面白いと思っている。これが近代に入り、生糸搬送として鉄道輸送に変わったというのは群馬っぽい。

 
○公民
 インターネットを絡めた問題は出る可能性あり。いろいろな切り口がある。昨年の静岡のようにネットショッピングの苦情相談として消費者庁や消費生活センターが対応しているというパターンもありだ。この場合、消費者基本法・消費者契約法も押さえておいた方がいい。

 昨年12月、群馬県のサイトがリニューアルされたが、これは総務省から「公共サイトのガイドライン」が出されていて、実は全国的に自治体のサイトのリニューアルは進んでいる。その中で、「障がい者・高齢者や外国人に配慮したサイト作り」が指針として示されている。実際、群馬のサイトでも、「利用者機能」が付加されており、これは公民素材としては面白い。県のサイトには「ぐんまちゃんモード」もあるのだが、ゆるキャラ、アンテナショップもずっと投網を張っているが、かからない。そろそろか。
 ICTでいえば、デジタル・ディバイド、リテラシーという新しいワードにも目を配りたい。QRコードが教科書に載っているのも気になった。
 
 地方の問題として、人口減社会がある。その意味で、「ふるさと納税」や高崎の「コンベンション施設構想」「Iターン、Uターン」は面白いテーマ。限界集落や商店街の高齢化に伴う「シャッター街」化は深刻で、高速交通網の整備が、ストロー現象や人口流出を加速させている観点は非常に「社会」的テーマだ。
 
 選挙権が昨年の夏から18歳に引き下げられたが、選挙については昨年出題された。とはいえ、世の中的には選挙権の引き下げは随分話題になっているので、つついておいた方がよさそう。制度の歴史、現行制度の比較、ドント式などトピックはまだまだある。
 直前に気になったのが「こども議会」。県内でも、安中や館林などではすでにやっているようで、「政治への関心を持ってもらう」目的で全国的に広がりを見せている。「少年議会」として教科書にも扱われている。

 三権では内閣がにおう。が、ここは万遍なく。アメリカの大統領制の扱いが教科書では大きくなったので、内閣総理大臣の選ばれ方とアメリカ大統領の選ばれ方の違いや国会議員とアメリカ大統領の選ばれ方の違いを問う記述は十分考えられる。
 憲法改正は受験生の苦手とするところ。こういった法的手続きは数字がはっきりしているため、あやふやな知識だと○にならないから、しっかり定着させたい。天皇退位が話題になり、国事行為も外せない。「公共の福祉」も全国的には流行り。司法はどうかなと思うが、再審とか法テラスといったなじみの薄いワードもあるから気を付けたい。「公共の福祉」も忘れちゃいけない。

 経済分野では消費(需要と供給)・財政かなあ。財政は日銀の金融政策。これは3年前くらいに公開市場操作が出されたが、また出てもおかしくない。累進課税も「税率」の意味があやふやな生徒も少なくないので、実際の金額を提示して、正しい課税方法を選ばせるような問題もあり。為替も円高・円安の理解はしっかりさせておきたい。

 数年前、「企業の社会的責任」なんてのが出題された。CSRは確かに時代的なはやりだった。そして、今、この企業の社会的責任というワードは教科書の扱いが断然大きくなった。過去の出題もあるから注意したい。

 穴埋めは結構いやらしいところをついてくる。「生物(多様性)」「国際(分業)」「(循環)型社会」などは押さえておくべきだろう。
 社会保障の4本の柱に関して、おととしの自作の予想では入れたが、昨年は全国的にはやりになった。憲法25条に記された「社会保障」は「社会保険と公的扶助」だ。介護保険が出たから今年はどうかなあとは思うが、念のため。
 単発だが、年中行事・核不拡散条約・ODA・NGOなども触れておきたい。
(編集長=峯岸 武司)
 

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