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中学1年生の英語が激ムズに 英会話だけではついていけない!?

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中学1年生の英語が激ムズに 英会話だけではついていけない!?

教育全般

みんなの学校新聞編集局 
投稿日:2021.10.28 
tags:ステップゼミナール 桐生, ナカジマ学習塾 笠懸, 中学 英語 教科書, 中学英語, 指導要領改訂 英語, 英語教育 中学

変わる中学英語 写真は東京書籍発行のNEW HORIZON

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 2021年度から中学校の新学習指導要領が全国的に実施され、教科書も大きく変更されました。中でも一番大きく変わったのが「英語」です。中学卒業までに扱う英単語の数だけ見ても、これまでの約1200語から1600~1800語と大幅増。なにより、中学1年生で学ぶ文法事項の数が増え、単語や表現のレベルも数段高くなっています。今回は、中学入学を控える子を持つ保護者に向けて、「中学英語の現状」について塾の先生に話を伺いました。

 

■小学校で英語を学んだことを前提にした単元配列
 「まず最初に問題となってくるのが、小学校で習う英語と中学校で習う英語の内容が全く違うということ。そして、文法をしっかり身に付けさせる時間の余裕もなく、英語を習ってきたという前提で中学の授業はものすごいスピードで進むということです」。

 そう話すのは桐生市と太田市で学習塾「ステップゼミナール」を運営する新井鉄夫塾長。「小学5年生から英語が教科化されましたが、その内容は英語の表現に慣れるというもの。多くの表現に触れますが、まさに触れるというだけでスピーキングとリスニングが主体です。単語も多く出てきますが、書ける必要はありません。ただ、英語を学習してきたことは事実ですから、それを前提に中学校での授業は行われます」
 以前の中1英語では、まずアルファベットを練習して曜日や月、あいさつなどを学んでいました。

 現在はこれらのことは小学校で勉強してきたことになっているため、簡単に終わらせ「英文法」の学習に入ります。

 新井塾長は「しかし、ほとんど書けないまま中学に上がる生徒も少なくありません。文法もこれまでと違いbe動詞と一般動詞、助動詞を使った文をほぼ同時に学びます。be動詞を理解してから一般動詞という流れはありません。小学校では文法を学習していませんから、何の下地もなく二つの動詞を学ぶことになります。子どもたちはかなり混乱します」。

 

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 「NEW HORIZON」(東京書籍)の中1の教科書。 最初の単元から一般動詞とbe動詞の文が一緒に基本文で登場する。

 

■学校の英語の変化に保護者も目を向けてほしい
 この現状に、みどり市笠懸町にある「ナカジマ学習塾」の塾長は「小学校の授業だけで中学校の英語に臨むと、そのギャップに苦手意識が生まれてしまう」と不安をのぞかせます。

「これまでは中1の中間テストではアルファベットが出題されるなど平均点も高めでした。いい点を取れば自信もつきます。ただ今年からはそれが難しい。早々に英語が苦手科目に変わってしまいます」。


 英語への苦手意識を持たせないためには早めの準備が大切ですが、注意する点もあります。新井塾長は「小学校から英会話に通わせる方も増えていますが、中学の英語に直結するかと言えば、そうでもありません。中学に入学するまでに、これまで中1で時間をかけて学んでいた、英語の文の構成やbe動詞、一般動詞の使い方といった英文法の基本を身に付けること。また、単語を書けるようになるまで練習することに慣れておく必要があると思います。そして一番は、保護者の皆さんがこの大きな変化に気づくことが重要です」。

(編集部=臼井 晃斗)

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