【埼玉県入試】埼玉県、令和9年度(現・中2)から公立高校入試にマークシート導入へ 国語の作文廃止、面接は全受検生対象に
埼玉県教育委員会は24日、令和9年度(2027年度)公立高校入学者選抜(現中2から対象)の学力検査について、新たな出題形式や選抜方法の概要を公表した。最大の変更点は、学力検査の解答方式に「マークシート方式」を本格導入する点だ。
県教委の発表によれば、5教科のうちマークシート方式による問題が得点換算で全体の9割程度を占め、記述式問題は1割程度にとどまる見通し。マークシート方式は追検査にも導入され、従来の記述式と併用される。これに伴い、解答用紙のサンプルや各教科のモデル問題も示された。

(埼玉県教育委員会サイトから)
■問題のサンプル(過去の入試問題から)

(埼玉県教育委員会サイトから)
また、国語ではこれまで出題されていた作文問題が廃止される一方、英語ではリスニング試験を継続して実施する予定。障がいや病気、ケガなどにより配慮が必要な受検生に対しては、解答方法を変更するなど引き続き柔軟な対応を取るという。
制度面では、全受検生に対して個人または集団面接を実施し、事前に提出された「自己評価資料」をもとに評価する。自己評価資料では、これまでの努力や将来の目標、自身の強みなどを表現することが求められる。
さらに、県が定める「共通選抜」に加え、各高校の学科や特色に応じた「特色選抜」が導入され、選抜方法がより多様化される見込みだ。
全国的に相次ぐ公立高校での採点ミスの防止に向けた側面に加え、「現在、国で導入が検討されている公立高校のデジタル併願制を視野に入れた対応ではないか」(塾関係者)とみる向きもある。
今後のスケジュールでは、25年8月に中学校教員向けの説明会が開催され、12月には各高校の選抜実施内容の暫定版が公表される。新しい制度での学力検査は27年2月25日に実施予定で、26日には面接、3月1日に特色検査(一部の学校)、2日に追検査、5日に合格発表が行われる。
新制度は受検生の多様な力を評価し、公平・公正な選抜を目指すものとして期待されている。
(編集部)
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