【定期テスト直前企画】編集長直伝! 中学生版・成績が伸びる習慣(1)
《習慣1》 音読は学習の準備体操
突然ですが、次の文章を黙読してみてください。
こんちには みさなん おんげき ですか? わしたは げんき です。 この ぶんょしう は いりぎす の ケブンッリジ だがいく の けゅきんう の けっか にんんげ は もじ を にしんき する とき その さしいょ と さいご の もさじえ あいてっれば じばんゅん は めくちちゃゃ でも ちんゃと よめる という けゅきんう に もづいとて わざと もじの じんばゅん を いかれえて あまりす。 どでうす? ちんゃと よゃちめう でしょ? ちんゃと よためら はのんう よしろく |
これはネットの世界で話題になった文章です。おそらく、黙読してみたら、それなりに意味がとれたのではないでしょうか。試しに音読をしてみるとその差は歴然とします。
目はものぐさな器官です。
読書していて退屈な場面やよく分からないところが出てくると、飛ばし読みをしようとしたことはありませんか。
目には見たくないものは見ようとしない習性があります。あるいは既知のものに変換しようとする性質があります。「コミュニケーション」の誤記の「コミニュケーション」、「シチュエーション」の誤記の「シュチエーション」は目で追えば普通に読めてしまうというのは先の文章で実証した通りです。よく言えば、目は要領の良い器官です。
学習において、目の働きが非常に重要であることは間違いありません。しかし、一方で最近の子ども達の学習方法を見ていると、目に頼りすぎているような気がしてなりません。
文章読解の場面や英単語を覚えなければならない場面で、教科書や単語集をただぼんやり眺めているだけの子を結構見かけます。こういう子に声をかけて聞いてみると、意外と読んでいなかったり、部分的に読んでいるだけだったりします。これでは、眠気を誘うだけです。
勉強の苦手な子はよく「分からない」という言葉を口にします。実はこの「分からない」という言葉がくせ者で、4割くらいが「面倒くさいからしっかり読んで理解しようとしていない」状態だったりします。
試しに国語の読解問題や数学の文章題を前に「分からない」と言っている子がいたら、その問題を読み聞かせて見て下さい。その中のいくつかはただ読み聞かせているだけなのに「分かった!」という反応が返ってくるはずです。
たとえば、次のような国語の問題があるとします。
試しに国語の読解問題や数学の文章題を前に「分からない」と言っている子がいたら、その問題を読み聞かせて見て下さい。その中のいくつかはただ読み聞かせているだけなのに「分かった!」という反応が返ってくるはずです。
たとえば、次のような国語の問題があるとします。
(問題) 文中⑤ーーに「呼吸する素材は身のまわりに本当に少なくなりました」とあるが、このことによって人間はどのようになっていくと筆者は考えているか。それがわかる第10段落中の一文をそのまま抜き出しなさい。 |
雑な黙読しかできない子は赤字あたりを少し読んだだけで、意味も吟味せず、文中⑤ーーの近くから「それっぽい」部分を探し、解答を作ろうとします。考える以前に最後まで読み切れていない。だから、分からなくて当然です。
音読することで、
●呼吸する素材が身のまわりから少なくなることで人間はどのようになっていくと筆者は考えているか。
●解答は10段落にあること。
●一文を抜き出さなければならない問題であること。
といった気づきを得ます。そして、気づいたことで、「分かってくる」のです。要は読んでいないから、分からないだけなのです。(もちろん、読めても分からないという子もいますが・・・)
音読することで、
●呼吸する素材が身のまわりから少なくなることで人間はどのようになっていくと筆者は考えているか。
●解答は10段落にあること。
●一文を抜き出さなければならない問題であること。
といった気づきを得ます。そして、気づいたことで、「分かってくる」のです。要は読んでいないから、分からないだけなのです。(もちろん、読めても分からないという子もいますが・・・)

家庭学習では「口を使うこと」を推奨します。家の中ならば発声しても恥ずかしくありません。
先ほどの国語の問題ではありませんが、音読をすれば、読み飛ばすことが出来ません。そして、音読の積み重ねが、黙読のスキルを上げ、正確な読解力を培うのです。だから国語に限らず、どんな科目でもよく分からなかったら、まずは音読することをおすすめします。
先ほどの国語の問題ではありませんが、音読をすれば、読み飛ばすことが出来ません。そして、音読の積み重ねが、黙読のスキルを上げ、正確な読解力を培うのです。だから国語に限らず、どんな科目でもよく分からなかったら、まずは音読することをおすすめします。
学者の外山滋比古氏も『近代読者論』の中で「子供がはじめて読み方を習うときは、どうしても音読から入らなくてはならない。かなり音読の訓練を受けてからでないと、黙読による理解はできない。」と記しています。
また、口に出して読むことで、より文章世界に入りやすくなり、集中力が高まるという効用もあります。医学的にも音読をすると、黙読をしている時よりも広範囲にわたり脳が活発に働き、人間ならではの思考活動をする「前頭前野」が活発に働くことが実証されています。
設問を読み切り、吟味する力を身につけるだけで、大分成績は変わるはず。その鍵が「音読」にあるわけです。
音読は勉強の準備体操です。家庭学習で簡単に実践できる魔法の習慣の一つです。ぜひ実践してみて下さい。
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