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【寄稿】全国の公立高校の共学/別学の現状と群馬県の動向(ぐんま公立高校男女共学を実現する会)

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【寄稿】全国の公立高校の共学/別学の現状と群馬県の動向(ぐんま公立高校男女共学を実現する会)

オピニオン

みんなの学校新聞編集局 
投稿日:2022.06.16 
tags:ぐんま公立高校男女共学を実現する会, 共学化, 女子校, 山本一太, 斎藤周 群馬大学, 男女別学, 男女別学 群馬, 男子校, 群馬県教育委員会

ぐんま公立高校男女共学を実現する会のメンバーである群馬大学教授の斎藤周氏が全国の男女別学の現状と群馬県の「現在地」を報告する。

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 下の表は、全国の公立高校の共学/別学の現状を都道府県ごとに整理し、別学率の高い順に並べて示したものです。表にあるとおり、47都道府県の中で8県にしか公立の別学高校はありません。8県の計43校がすべてです。校数で見ると群馬、栃木、埼玉、その他でほぼ4等分されます。

 

公立高校別学率全国ランキング(全日制・2022年度募集分)

注1)ここでいう別学校(女子校、男子校)は、入学資格を女または男に限定している学校。

注2)全日制に限定して集計しているので、群馬県では前橋清陵高校と太田フレックス高校が総数に入っていない。

注3)「公立高総数」の「計」は2021年度の学校基本調査による数。一方、「上記以外」は9県の合計数(2022年度の募集人員を基準とする学校数で,募集を停止した学校数を含まない)を「計」から引いた数なので、若干の誤差がある。

注4)表中の( )内は、市立または一部事務組合立の別学公立高校数で内数。

 

 群馬・栃木・埼玉以外の公立別学高校は全国で11校に過ぎず、その中で県立の別学校は鹿児島と千葉の各2校だけです。都道府県立の別学高校は全国に36校しかなく、そのうちの32校が群馬・栃木・埼玉に集中しています。

 これら3県の別学校は、各地域の代表的な進学校であるという特徴があります。群馬・栃木・埼玉では当たり前の「進学校≒別学校」という図式は、他の都道府県では成り立ちません。「別学の方が勉強に集中できる」という考えに接することがありますが、もしもそうだとしたら全国各地に別学の公立進学高校があってもよさそうなものです。

 東北地方にもかつては県立の別学高校がたくさんあり、各県の代表的な進学校となっていました。けれども、福島県では2003年度までに全公立高校が共学になりました。宮城県でも2010年度に全県立高校が共学になり、市立女子校を残すのみとなりました。さらに秋田県では2016年度から全公立高校が共学となり、東北地方には県立の別学高校は皆無となっています。なお、山形県立高校には、2021年度の在学生が全員女性という学校、ひとりを除いて男性という学校、98.9%が女性という学校があります(各1校)。

 近畿地方では、和歌山県の海南市立海南下津高校(家庭科専門の女子高)が2023年度末に閉校することとなり,2022年度は募集停止となりました。これにより、近畿地方では別学の公立高校がゼロになります。

 さて、群馬県では2021年度から桐生高校(普通科は男子のみで、理数科だけ共学だった)と桐生女子高校が統合により共学の「桐生高校」となり、別学校が1校減となりました。一方、別学率第2位の栃木県では、2022年度に、宇都宮中央女子高校が共学の宇都宮中央高校になり、足利高校(男子校)と足利女子高校が統合され共学の「足利高校」になりました。これにより栃木県の公立別学高校は11校から8校に減り、別学率は13.8%に低下して、群馬県との差が開きました。

 

 群馬県教育委員会は、2021年3月に「第2期高校教育改革推進計画」を発表しました。そこでは男女共学についての基本的考え方として、以下のように述べられています。

男女が共に学ぶことの意義や、性差による制限のない学校選択の保障という観点に加え、性同一性障害や性的指向・性自認に係る生徒への対応の必要性などからも、男女共学化を推進していく必要があります。

「群馬県男女共同参画基本計画」を踏まえ、県民の理解を得ながら、今後の高校教育改革の中で、男女共学化を推進します。

 この中でSOGIを含む3観点を挙げて共学化推進の必要性を述べていることは、とても大切です。けれどもこの計画の中では、共学化について具体的な記載はありません。

 推進計画の中では県内各地区での高校数削減について数値(ただし幅を持たせたもの)をあげて方向性を示しているので、統合による共学化は今後も起こりうるでしょう。実際、推進計画発表より後の2021年7月には沼田高校(男子校)と沼田女子高校を統合する方針が示され、その後、統合による新高校開設時期も2025年度と決まりました。ただ、推進計画が明記する3観点からすれば、統合による共学化に留まらず、積極的に共学化を推進する必要があります。県と各別学高校には、全校共学化に向けたより具体的な検討を望みたいと思います。

 

※本稿は、ぐんま公立高校男女共学を実現する会のニューズレター50号(2021年)の記事にデータの更新を含む加筆修正を加えたものです。

 

(ぐんま公立高校男女共学を実現する会/群馬大学教授 斎藤 周)

 

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