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スマホ依存の実態ー高校生が実体験語る 

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スマホ依存の実態ー高校生が実体験語る 

ライフ

みんなの学校新聞編集局 
投稿日:2024.05.14 
tags:スマホ 中毒, スマホ 依存, スマホ 勉強, スマホ 受験

 ベネッセ教育総研の調査によると、2023年の中学生の家での生活時間におけるメディア使用時間は携帯電話・スマホが89.4分。2015年の43.8分からほぼ倍増で、右肩上がりで増えている。20年には「TV・DVD」から首位の座を奪った。

 学習系アプリや解説動画などスマホを学習支援ツールとして活用できるという受験生の声もある一方で、「スマホがあると勉強に集中できないのではないか」と疑問を呈する保護者も少なくない。いずれにしても、勉強を進めていく上で、スマホとの上手な付き合い方はますます重要になっている。今回、スマホとの付き合い方で苦しんだ経験を持つ高校生が匿名を条件にスマホ依存の実態を語ってくれた。

 

(ベネッセ総研「子どもの生活と学びに関する親子調査」2023年版をもとに編集部が作成)

――スマホはいつから持ち始めた?

「僕は中1の3月くらいにスマホは持ち始めました。学校と部活が忙しい時期でも、平日は4時間くらいは いじっていましたね。休日はひどくて10時間は優に超えていました」

 

――そんなに使っていたら両親に怒られたりしなかったの?

「スマホを購入するときに安心フィルターっていう制限を親にかけられたんです。でもスマホを使い始めると『もっと使いたい』ってなるじゃないですか。それで、ネットで安心フィルターの解除方法を調べて、親にはばれないように制限を外してこっそり使ったりしていました。依存症みたいな感じだったと思います」

 

――なんでそんな長時間になってしまうの?

「友達がメッセージを送ってくるときって、その友達が暇な時が多いんです。そうすると、相手の返信も早くなります。特にLINEやインスタだと既読がついてしまうので、既読をつけたら返さないとっていう義務感にかられてしまうんです。だから『ラリー』になってしまうんです。メッセージを確認して、返事をする。その繰り返しです。結果的に長時間の使用になってしまいます。下手したらゲームとか誘われて、勉強とはどんどんかけ離れていきます」

――このままじゃいけないとか思わなかった?

「夜、スマホでゲームしたり、メッセージのやり取りをしたり、楽しくて夢中になっていますが、朝起きたときに後悔の念にかられることはありました。その繰り返しです。中毒でしたね…。やめようと思ってもそういう状態になっていると自分の意志ではやめられないんです」

 

――勉強しているとき、机の上には置いてたの?

「置いていなくても、勉強している間にも気になるんです。通知音とかに常に意識が向いていて、いけないことだなと思いつつ、自分に負けました」

 

――自分に負けるっていうのは?

「勉強途中でもスマホをいじってしまうということです」

 

――そんな状態で受験勉強は大丈夫だったの?

「受験期はそんな状態だったので、親に取り上げられました。でも、手元からスマホがなくなっても、あらゆる方法でつながることを試みました。まず学校のパソコン。これは制限がかかっていたので、諦めました。いろいろ試しましたね」

 

――没収されたときは反発とかしなかったの?

「没収されたときは苛立ちましたね。『何でだよ!』みたいな。でも没収されてから1カ月くらい経つとちょっと慣れてきます。2カ月もすれば完全になくても大丈夫な状態になれます。でも、なくても大丈夫な状態になっても、1回使っちゃうと元の状態に戻ってしまう。1回の使用で振り出しです。少なくとも僕はそうでしたね。最終的に親との相談の上、通っていた塾の先生に預けました」

 

――中毒かどうかの境目ってどこにあるの?

「中毒か中毒じゃないかの見分け方としてはスクリーンタイムで使ったアプリの時間の内訳をチェックするといいと思います。ライン、インスタ、Xが上位に来ている子は危険水域です。この状態だと物理的にスマホを生活から消した方がいいと思います。でも、そうなる前に、自己規制していくのが理想ですかね。徐々に時間を減らしていくとか。ダイエットがいい例なんですけど、極端に減らすとものすごくお腹がすいてしまいます。だんだん減らしていくと胃がそれに慣れてきて少ない量でも大丈夫になっていくと聞いたことがあります。スマホも同じように徐々に減らしていく形で共存できるのがいいんじゃないでしょうか。受験生は僕のような経験はしないでほしいと思います」

(聞き手=峯岸 武司)

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