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科学と社会を結ぶ視点を 桐生高「探究シンポジウム」開催 東大准教授が講演

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科学と社会を結ぶ視点を 桐生高「探究シンポジウム」開催 東大准教授が講演

教育全般

みんなの学校新聞編集局 
投稿日:2025.11.22 
tags:川越至桜 東大, 桐生高校, 桐高, 桐高 探究, 桐高 探究シンポジウム

 探究活動のあり方などについて理解を深めるため、桐生高校(新井高広校長)は21日、同校視聴覚室で教職員や教育関係者を対象にした「探究シンポジウム」を開いた。県内外から25人(オンライン4人)が参加した。

 

 同校は2022年度から文部科学省のSSH(スーパー・サイエンス・ハイスクール)の指定を受けており、「自己調整力を持ち、社会の変化に対応できる探究力を備えた科学技術人材の育成」を研究テーマに掲げている。今回のシンポジウムはその一環として開催された。

 

 会では、東京大学生産技術研究所の川越至桜准教授を招き、「STEAM教育の視点が拓く教科等横断的な探究学習 未来社会をデザインする人を育むために」というテーマで講演が行われた。川越准教授は最先端工学研究を取り入れた産学連携による教育活動を研究。教育コンテンツ開発や実践にも力を入れている。

 

 川越准教授は冒頭、「先生方が既に探究活動に取り組まれている中で、本日は“こうしなさい”という押し付けではなく、先生方の実践のヒントになればと思う」と述べ、講演をスタートさせた。

【写真】講演する東京大学生産技術研究所 川越准教授(同校視聴覚室で)

 

 講演ではまず、変化の激しい現代社会において、かつてのように科学技術が社会に一方的に受け入れられる時代とは異なり、「社会が技術をどのように受容していくか」が問われる時代になっていると指摘した。科学だけでは判断できない「トランスサイエンス(科学技術を理解するだけでは解決できない社会的課題)」問題を例示。自動運転技術では「中国やアメリカなどでは無人タクシーが走っていたりするが、日本が技術的に遅れているわけではなく法整備などの議論も国によって違うため」と解説した。その上で「科学と社会が対立するのではなく、合意形成を通じて技術を社会に取り入れていく視点が求められている」と述べた。

 

 さらに、これからの知識基盤社会では「情報を取捨選択し統合し、新しいものを創造する力」「自分で考える力」が重要と強調した。探究学習における知識基盤(教科の学び・専門知識)と主体的・協働的に課題に取り組む社会的能力(論理的思考・分析・コミュニケーション・合意形成など)の双方を育てるべきだと説いた。


 続いて「STEAM教育」の枠組みについて、「以前から注目されていた“STEM教育(科学・技術・工学・数学)”に“Arts(芸術・人文・社会的視点)”が加わり、文系・理系の壁を越えて課題解決を図る学びが求められている」と説明。探究活動とSTEAM教育との親和性に触れ、「探究では各教科の学びを統合し、実社会の課題に挑む“スパイラルな学び”が軸となっており、この点でSTEAM教育の視点と非常に近い」と解説した。


 プロセス面では、探究のサイクルを「問いの設定 → 情報収集 → 整理・分析 → 発表・振り返り →次の問いへ」というような循環型で捉え、「生徒の主体的なマネジメントやチーム協働、失敗を次の学びにつなげていくことが大切だ」と述べた。

 

 講演後、桐生高校の探究活動の実践報告が行われ、シンポジウムの後半では、参加者が3つの班に分かれ、日ごろの探究授業で抱える悩みや実践事例を交流する「情報交換会」も設けられた。

【写真】班に分かれての情報交換会

 

■桐生高校担当者よりお知らせ(25.11.28)

令和7年度 桐生高校探究シンポジウム は終了しました。
東京大学 生産技術研究所准教授 川越 至桜 先生のご講演「STEAM教育の視点が拓く教科等横断的な探究学習」は
Youtubeのアーカイブ配信にてご視聴いただけます(2026年3月まで)。ご希望の方は桐生高校・丸山唯までお問い合わせください。

(編集部)

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編集部より 記事は配信日時点での情報です。

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