「渋川・吾妻・北群馬地区内でも地域差」 高校の在り方に関する情報交換会ー県教委
地区内の公立高校の現状や課題を共有するため、群馬県教育委員会(平田郁美教育長)は7日、「県立高校の在り方に関する地区別情報交換会」を中之条合同庁舎で開催した。対象地域は渋川・吾妻・北群馬地区で、県議会議員や市町村長、教育長、PTA関係者など計62人(うちオンライン9人)が出席した。
進行はこれまでの会合と同様の形式で行われ、冒頭に平田教育長があいさつ。続いて髙橋章高校教育課長が、同地区の県立高校の現状を資料を用いて説明した。
■人口動向に地域差 北群馬は減少幅小さく
生徒数の減少傾向を見ると、渋川・吾妻・北群馬地区の減少率は県全体とほぼ同程度だ。しかし、駒寄スマートICや国道整備が進み、大型商業施設の出店が相次ぐ北群馬郡(吉岡町・榛東村)では人口増が続いている。同郡での2040年時点での2026年比の減少率は15.6%減と、他地域と比べて著しく低く、渋川・吾妻地区の大幅な生徒減(約45%減)とは対照的だ=下図=。会合では、こうした地域内での状況の違いを指摘する声もあがった。
県教委は、2031(令和13)年度までの「第2期高校教育改革推進計画」に基づき県内を8地区に区分したと説明。今後の「地区別検討会」も同じ枠組みで進めるとしつつも「地域の状況に合わせて柔軟に対応したい」と含みを持たせた。

(いずれのグラフも県教委の資料をもとに編集部で作成)
■2040年時点の1校あたりの平均学級は2.2学級(県教委の試算)
渋川・吾妻・北群馬地区の県立高校7校(※)は2026年度入学予定者の1校あたりの平均学級数が3.6学級。仮に現行の7校体制を維持した場合、2040年度には平均2.2学級まで減少し、ほとんどの高校が3学級以下になる見通しだ。県が適正規模とする「4~8学級」を下回ることになり、多様な学びや充実した教育活動の実施が難しくなると見られる。
ただ県教委は、高校改革は生徒減への対応だけでなく「社会環境が大きく変わる中で、時代に即した未来の高校の在り方を地域とともに考えたい」と強調した。
■進学は都市部へ 県内他地区の公立高への流出29.2%
2025年3月の同地区の中学校卒業者の進学先を見ると、県外高校への流出率は1.7%と低い一方、県内他地区(主に前橋・高崎)の公立高校への流出率は29.2%と高い=表参照=。
県外への流出が少ないのは県外移動に時間のかかる地理的条件が関係しているとみられる。一方、上越線でつながる前橋市や高崎市の高校への流出数は多く、334人となっている。逆に両市から同地区内の高校へ流入する生徒は237人と「流出超過」の状況だ。
倍率の推移では、渋川4校(渋川高校・渋川女子高校・渋川青翠高校・渋川工業高校)がここ3年1.0倍を下回るものの、2025年度入試では0.8倍台を維持。一方、吾妻3校(吾妻中央高校・長野原高校・嬬恋高校)はこの5年1.0倍を大きく割り込み、定員を48人減らした2025年度入試でも0.7倍に届かなかった=グラフ=。地元関係者は「北群馬郡(吉岡町・榛東村)から渋川4校に進学する生徒が多いためではないか」と分析する。
2025年3月・中学校卒業者の地区外流出割合および私立進学の割合

※「県内他地区流出率」は公立高校のみ、「県外高校流出率」は国公私立高校。
※「県内他地区流出率」について。
・太田市、館林市・邑楽郡は「伊勢崎市、桐生市、みどり市、前橋市」への流出分でそれ以外の地区は含まない。
・伊勢崎市は「前橋市、太田市、桐生市、高崎市」への流出分でそれ以外の地区は含まない。
・玉村町は「前橋市、高崎市、藤岡市」への流出分でそれ以外の地区は含まない。
・藤岡市・多野郡は「高崎市、安中市、前橋市」への流出分でそれ以外の地区は含まない。
・富岡市・甘楽郡は「高崎市、安中市」への流出分でそれ以外の地区は含まない。
・渋川市・吾妻郡・北群馬郡は「前橋市、高崎市、沼田市、利根郡」への流出分でそれ以外の地区は含まない。
※各地区の2025年の中学校卒業者(学校基本調査など)をもとに算出。単位は(%)

(県教委の資料を基に編集部で作成)
■子どもや保護者の声も取り入れて
質疑応答では出席者から「(今後の話し合いで)高校生や保護者は議論に参加できるのか」との質問が出た。これに対し県教委は、「子どもや保護者の意見は非常に重要。どのような形であっても丁寧に聞いていきたい」と説明した。
会合後、吉岡町議会議長の富岡大志氏は「(県の区分では)吾妻と北群馬が同じ地区に入っているが、状況は大きく異なる。検討会ではそのあたりも考慮してほしい」と語った。
県教委は今後、他地区でも同様の情報交換会を開催し、準備が整った地区から地域関係者や有識者が参加する「地区別検討会」を設置。地元高校の将来像について、ゼロベースで議論を進める方針だ。
(編集部)
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