「うんこ漢字ドリル」、バカ売れ中!
「基本、子どもたちは、デブとかハゲとかウンコとか、そういう下品なワードが大好きですよね。授業でたまにそんな話を挟んだりすると大爆笑です」と話すのは、前橋市内のある塾の講師。「とはいえ、そんな話ばかりしていたら、保護者からクレームが来てしまうので、ほどほどにしています」
しかし、何がヒットするかわからないご時世、「うんこ」まみれのドリルがちまたで話題になっている。その名も、「うんこ漢字ドリル」。
このうんこ漢字ドリルを見たとき、先の講師は「やられた」と思ったそうだ。「ここまで徹底してやれるところが、ゲリラ的だしすごい。きっと大手だったら企画段階でNGになったんでしょうね」
実際、この教材を制作販売しているのは、文響社(東京都)という中小出版社だ。すでにテレビなどでも取り上げられ、1か月で63万部という学習教材としては異例の大ヒットになっている。
「うんこ漢字ドリル」の公式ホームページによると、子どもにとって集中力を維持しにくく、作業になりがちな漢字学習の構造的弱点を克服するために開発されたと記されている。小学1年生から6年生までの3,018例文にすべて「うんこ」というワードが使われている。
ただ、奇抜さだけを売りにしているわけではない。大きなお手本で、とめはねなどの間違えやすいポイントや書き順を詳しく解説していたり、1年生は1ページ1漢字、2年生以降は1ページに2漢字だけの構成で学習しやすいように工夫が凝らされている。しかも、使用されている漢字はすべて「新学習指導要領」対応だ。
このドリルを使っている小学生に感想を聞いてみた。「うんこ漢字ドリル」を購入した太田市の小学4年生の男子は「漢字はもともと好きだったけど、このドリルでもっと好きになりました」と話す。この子のお母さんの話では「学校の宿題やチャレンジに取り組む前に、まずこのドリルをやり始めています」とのことだ。評判は上々だ。
さてドリルの裏表紙には、「一部の例文において、お子様が実際に真似されますと、他の方にご迷惑をおかけするような内容も含まれております」と保護者に向けた注意書きが書かれている。この注意書きさえもシュールな空気を醸し出している。
【写真】ドリル裏表紙の注意書き
1冊980円とお手頃な価格だ。漢字が苦手な小学生にとって、漢字好きになれるきっかけを与えてくれる教材かもしれない。
(編集部=峯岸武司)