最先端の科学に触れ 将来の学びへ意欲 桐生高理数科が筑波研修
県立桐生高校理数科の恒例行事「筑波研修」が、10月22日と23日の両日に実施された。理数科の1年生全員が参加し、筑波大学や研究学園都市内の各研究施設を見学。最先端の科学技術に触れることで、将来の学びや研究への意欲を高めた。
「筑波研修」は、同校理数科の創設時から続く行事で、教室での学習を超え、実際の研究現場を体験することで科学的な視野を広げることを目的としている。
引率した佐藤真紀子教諭は「高校1年生の段階では大学院の修士課程まではイメージできても、その先の博士課程や研究職としての働き方までは想像しにくい」と話す。そのうえで「研究職が大学だけでなく、民間施設や企業などにもあることを知るのは、将来のキャリアを考える上で意義深い」と語った。
初日は、産業技術総合研究所の展示施設「AIST-Cube」で、企業が開発した最新の技術や製品を見学。音の出る布やAIを搭載したぬいぐるみなど、未来を感じさせる技術に生徒たちは目を輝かせた。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)では人工衛星や宇宙探査の研究について説明を受け、物質・材料研究機構(NIMS)では金属や素材の新しい組み合わせによる最先端の研究に触れた。生徒たちは、普段目にすることのない大型実験設備や研究成果に強い関心を寄せていたという。
2日目は筑波大学を訪問し、社会工学分野を専門とする志田洋平助教による模擬授業を受講。データサイエンスの考え方や社会課題の分析手法などを学んだ。その後、理化学研究所や高層気象台など、各自の関心に応じた施設を訪れ、研究者との交流を深めた。

【写真】筑波大学での模擬授業の様子(同校提供)
同校で化学を担当する永田怜教諭は「(研究者から)研究が社会で起きていることとどう結びついているかを直接聞けたのは大きい。普段の学びの延長線上に研究があり、それが社会課題の解決につながっていると実感できたのではないか」と振り返る。
同校理数科では今後も、地域や大学などとの連携を通じて、生徒の科学的探究力と課題解決力を育む教育を推進していく方針だ。
(編集部)
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