【コラム】3つのスープの物語(神子澤修)
あるビジネスホテルでのお話です。
このホテルは、朝食で3種類のスープを出していました。
「ビシソワーズ」「トムヤンクン」「コーンスープ」です。
「コーンスープ」だけがいつも先になくなり、残りの2種類はいつも廃棄されていました。
「ビシソワーズ」も「トムヤンクン」も美味しいのに何故?
ホテルの支配人は、従業員に対して「何とかしろ」と命令しました。
するとある調理人が翌朝、
◎ビシソワーズ⇒昔、ニューヨーク在住のフレンチシェフが、自分の恋人のために考案した冷たいジャガイモのスープです。少し胃もたれしている朝には最適です。アツアツのトーストと一緒に召し上がれ!
◎トムヤンクン⇒ご存知、東南アジア発の酸味の効いた辛口スープです。朝から香辛料で新陳代謝を高める「メタボ対策」に。朝カレーとともにどうぞ!
とそれぞれのスープにポップを書いて付けたそうです。
◎朝の定番! 当ホテルのコーンスープは、北海道のホワイトコーンを使い、砂糖は一切除外。自然の甘味だけの美味しいスープです。
するとどうでしょうか。
「ビシソワーズ」も「トムヤンクン」もどんどん出ていく量が増えて、追加を出すまでになりました。
そして、今ではそのホテルの【名物スープ】になり、朝食目当てのリピーターも増えたそうです。
物語は、人の行動を変える大きな『力』になります。
物語を語れる教師になりたい。
桐生大学附属中学校 教頭 神子澤 修
プロフィール