【高校野球】30年ぶりの栄冠に各所から祝福の声 樹徳、夏3度目の県制覇
前橋市の敷島球場で27日に行われた第104回全国高校野球選手権群馬大会の決勝戦で、健大高崎との激戦を6―4で制し、30年ぶり3度目の優勝を飾った樹徳。井達誠監督が主将として甲子園に出場した1992(平成4)年以来の快挙に各所から祝福のコメントが寄せられた。
■“球都”の代表として勇気と希望を
荒木恵司桐生市長は「30年ぶり3度目の夏の甲子園出場を、市民とともにお喜び申し上げます。『球都桐生の日』を制定する記念の年で、とてもうれしく思います。甲子園で躍動するみなさんの姿が、県民、桐生市民に『勇気と感動』を与えてくれます。〝球都桐生〟の代表として、はつらつとしたプレーで、精いっぱい、悔いのない試合をしてください」などと応援メッセージを発表。
桐生商工会議所の籾山和久会頭は「桐生市が『球都桐生』をテーマにしたまちづくりのプロジェクトを発表した直後で、これを祝福するような快挙。コロナ禍で桐生八木節まつりが一部開催となるなど、地域に沈滞ムードが漂う中、市民が元気を取り戻し、まちが再び明るくなるような樹徳球児たちの活躍を心からうれしく思います」とコメント。
また、樹妙会(同窓会)小倉康宏会長(小倉クラッチ社長)は「現在はウクライナ情勢や経済低迷、最近では新型コロナウイルス感染急拡大など、世界が落ち込んでいる中で、私たちに勇気と希望を与えていただきました。実際に決勝戦を現地で観戦しましたが、みんなが笑顔で円陣を組んだときに、本当は苦しいのにそれを見せずに明るく乗り越えたことが素晴らしいと思いました。最後に『みんなよく頑張った!』の一言」と語った。
樹徳野球部OBでプロ野球の日本ハムやDeNAで活躍した菊地和正さん(40)=会社経営、高崎市在住=は「高校生はたった1試合でも急成長を遂げるときがある。この夏の樹徳がそうで大会前と比べ、今は各段に強くなっている。いい準備をしてきた証し。まだまだ伸びしろがありそうで、大舞台でのさらなる成長が今から楽しみ」と期待を寄せた。
■来月6日に開幕
大会は8月6日に阪神甲子園球場で開幕。代表49校による組み合わせ抽選会は3日、大阪市内で行われる。
30年前のエース戸部さん(福岡)喜ぶ
30年前の甲子園出場時に樹徳高校のエースとして活躍した元プロ野球選手の戸部浩さん(48)=福岡市=も、「強豪を次々倒しての優勝は見事。本当にうれしい。文句なしです」と母校の快進撃に声を弾ませた。
戸部さんは速球派右腕として1991、92年の夏の甲子園に2年連続出場。2年時の91年は大阪桐蔭に初戦敗退したが、3年時の92年は初戦に近江(滋賀)に完投勝利を挙げ、2回戦で天理(奈良)にサヨナラ負けを喫した。
日大、東芝府中を経て99年のドラフトで千葉ロッテに入団し、主に中継ぎ投手として活躍。東北楽天移籍後の2008年に現役引退し、09年から現在まで福岡ソフトバンクの打撃投手を務めている。
甲子園出場を決めた瞬間を携帯電話の中継動画で見守ったという戸部さん。「30年前を思い出しましたね」と感慨深そうに語りながら、「自分たちよりも力は全然上。30年前(甲子園1勝)を超えられる。とにかく甲子園を思い切り楽しんでほしい」と後輩たちにエールを送っていた。