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【公立後期入試】過去平均点データを徹底分析

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【公立後期入試】過去平均点データを徹底分析

高校入試

みんなの学校新聞編集局 
投稿日:2017.03.05 
tags:傾向と対策, 入試, 公立高校, 後期入試, 教育委員会, 群馬 公立高校, 群馬県公立入試, 群馬県公立高校, 高校入試

過去の平均点・得点分布を分析してみた

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 入試で実際どれくらいの点数が取れればいいのか。エデュケーショナルネットワークが提供しているデータ(2011~2014年)を基に、みんなの学校新聞編集局が分析を試みた。

 

※ あくまで過去の平均点を用いた分析なので、実際の入試でこの得点を取らなければいけないということではありません。入試の教科の難易度は年によって変動しますのであらかじめご了承ください。

 

 

■分析・グラフについて

 直近過去3年の平均点の平均を出し、それに近い2011~2014年の得点分布データを使用した。これに基づいて、得点分布別の階層表を作成した。

 

 群馬県の受験生(中3生)を10,000人と仮定し、最上位校(前高・前女・高高・高女)の定員の合計1280人を最上位層と位置づけ、全体の12~15%以内を最上位校合格の基準ラインと設定した。これに太高・太女・桐高の3校を加えると2120人になる。したがって、上位20~25%までが上位校合格の基準ラインである。各教科の平均点の入る階層が偏差値50付近のゾーンということになる。

 

 青い折れ線グラフは得点分布を表す。その階級に属する割合は左側の軸に表示した。赤い折れ線グラフは得点の累積である。たとえば、90~100点までの階級に2%、80~89点までの階層に8%いたとすると、80点以上の得点者は全体の10%いることになる。最終的に0~9点までの階級までいくと100%になるように作成してある。

 グラフの横軸は得点を表している。

 

 

■国語の分析

・過去3年の平均:54.7点   ・使用したデータ(2014年):平均54.6

国語分布

 

 80点以上は、全体の1.3%1万人を受験者と仮定すると人数にして100人くらいだ。この分布をみると、80点以上を狙うことは難しいとみてよい。

 上位校の受験生は模試の結果で普段から80点以上を取れている子も少なくない。この層が本番では得点が取れない可能性が高いため、国語を得意とする受験生にはフォローが必要だ。

 

 群馬の国語の問題は、平均点に集中するのが特徴で、平均点のある、5059点の階層までに全体の67.3%の受験生が入ることになる。この階層が偏差値にして50近辺ということになる。

 

 逆に30点以下に目を向けると、こちらも全体の14%。普段国語が取れていない生徒も、40点以上を取れる可能性は少なくない。全般的に見て、点差が付きにくい分布をしている。上位12.9%が入る70点以上を取れていれば、国語では「うまくいった」と評価していいだろう。

 

■数学の分析 

・過去3年の平均:50.9点   ・使用したデータ(2014年):46.1

数学分布

 

 かつて40点台を超えたことがなかった群馬の数学もここ数年は割合と易化し、50点台を超えるようになった。最上位校のラインでいうと上位10.6%の7079点の階層には入りたい。60点以上で上位25%に入れる計算だ。したがって上位校を受ける場合、仮に数学で失敗したとしても60点以上は死守したいところだ。ただ、平均を46.1点で分析しているので、50点台の平均になるともう少し上乗せしないと厳しいか。

 

 平均点の入る4049点の階層で受験者の上位62.1%が入る。偏差値50近辺の高校を受験するならこの数字以上はほしいところ。

 基本問題で5060点配点されているはずなので、大問1・2番でいかに落とさず進められるかが勝負になってくる。

 

■社会の分析 

・過去3年の平均:54.7点   ・使用したデータ(2014年):52.7

社会分布

 

 80点以上は上位6.5%。記述が多いせいか、意外と高得点の分布は平均が高い割には少ない印象だ。

 ところが、7079点の階層になると、ぐっと人数が増え、上位21.2%までをカバーすることになる。ここに上位校受験者が集中していると考えられる。上位校受験者であれば70点以上は狙いたい。

 さらに下の階層の6069点では上位40.5%まで入る。平均の入る階層である5059点で59.1%。約6割の受験者がここまでに入ることになる。

 

 どの高校を受けるにしても、中間層の得点が厚めなので、大きく落とすことのないようにしたい教科ではある。

 ここ数年の平均は以前より高めであるが、教科書改訂のあおりを受けて、難度が多少上がる可能性もあるので、意外と注意の必要な科目ではある。

 

■理科の分析 

・過去3年の平均:52.1点    ・使用したデータ(2013年):53.9点

理科分布

 

 80点以上は上位6.2%。これも社会と同様に7079点までで上位24%に膨らむ。上位校の受験者はこの近辺に得点が集中していると予想される。

 上位校受験者であれば、この階層には入りたい。

 社会と対照的なのは、平均のある階層を挟んで、平均以下の割合が多いこと。中堅校以下では苦戦を強いられる受験生も少なくないことがうかがえる。

 それでも平均の階層であう5059点までに59.9%が入る。偏差値50前後の高校を受ける場合は、このラインは死守したい。

 理科は教科書改訂が一服し、以前より平均は少し高くなってきてはいる。年によって差はあるものの、知識系の取れる問題を確実のとる戦略で上乗せをはかりたいところだ。

 

■英語の分析 

・過去3年の平均:44.9点    ・使用したデータ(2012年):49.0

英語分布

 

 英語は全国的な傾向でもあるが、M字型の分布をとることが多い。上位にひと山、下位にひと山の「ふたこぶラクダ型」だ。

 平均が50点前後のテストであれば、上位校の受験者は「理想は80点以上、踏み外しても70点以上」は狙いたいところである。全体の平均が低いとはいっても、上位はそこそこ健闘しているとみていい。

 ただ、2014年のように平均が40点前半(41.2点)になると、英語が得点源の生徒に影響がでてくる。実際、この年は80点以上は全体の1.4%しかいない(ちなみに2012年はこのゾーンに上位10.9%が入る)。

 さて、40点未満も40%いるので、中堅校以下の受験生で英語が苦手な子は、他教科の兼ね合い次第で、英語の失点はカバーできる可能性もある。

ただ20点未満になると急激に割合が下がる傾向にあるので、失点をカバーするといっても、他教科でどれだけ取れたかが合否を分けることになるだろう。

 

■さいごに

 繰り返しになるが、平均点は年によって違うので、この資料はあくまで目安にとどめてほしい。倍率の状況や傾斜配点など合否を左右する要素はほかにもある。教科の得点分布は経年で同じような形になることが多いので、その特性をみるための一資料として、活用していただきたい。

(編集部=峯岸武司)

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