【公立後期入試】塾の先生はこう見るー講評と分析(理・英)
後期入試の全日程が終わった。2日目の教科について、昨日に引き続き太田高校・太田女子高校など地元進学校に数多くの合格実績をもつTOP進学教室の先生方に分析してもらった。
名門進学塾の講師が分析する2017年入試
■理科の講評 理科科 片山 秀則先生
問題構成は、1が1問1答の小問集合、2の小問4題と3~6の大問4題も例年通り。範囲は1分野、2分野から偏りなく出題されており、概ね全範囲から出題されている。特徴としては圧力や密度、質量比や電流といった、計算問題が例年より多く出題された。さらにはアルミニウムの化学式といった、細かい知識を問う問題も一部見受けられた。問題のレベルは例年と比べ大きな変化はないが、特に難問といえるような問題が入らなかったのも、今年の特徴といえるのではないか。
入試当日に報告に来てくれた生徒たちも「それほど難しくなかった」という反応の子もいた。記述問題にもそれほど奇をてらった問題が見受けられないため、特に上位校では計算問題の出来が理科の点差につながるように思う。
群馬県の理科の問題は、「実験」や「観察」に沿った問題構成になっている。今年の問題も2のAの植物の分類を除けば、この条件があてはまる。これは、用語などの知識を詰め込むのではなく、実験の目的や注意点、分類上の特徴などを理解して覚える力をつけてほしいという出題者の狙いがあるように思う。2のDについても、圧力ではなく面積を求めさせるなど、ちょっとした変化球。公式にただ当て嵌めていた生徒には厳しい問題だったのではないか。また、6の電流の単元でも、与えられた数字の量が多く、各問に合わせて必要な情報をピックアップしていく必要がある。
いずれにしても、旧来の詰め込み教育とは一線を画した問題構成になっているといえる。これは生徒はもちろん、指導する側にも「なぜ」「なんで」をしっかり理解させながら進めていく力が求められている。
●設問数56問 想定平均:約55点(県教委発表)
■英語の講評 英語科 川井 和也先生
リスニングは、誤答を招きやすい資料比較の問題がなく、定番とも言える道案内の問題が出題された。音声のスピードは,「(普段やっているものよりも)速く感じる」という生徒の声を頻繁に聞いた。学校や塾で演習してきた一般的なものよりも1.2倍~1.4倍程度の速さだったのではないかと推測する。
5の単語の空所補充問題は,同一単語「hard」を2種類の品詞(「副詞」と「形容詞」)として理解を求める問題。(エ)の問題では中学生には動詞としての認識が強い「like」を、前置詞として捉えさせる問題が特徴的だ。
7の長文読解を踏まえた自由英作文は、自分の意見をまとめるものから、メールへの返信文に変わった。穴埋め形式のため、解答を導く際のヒントにはなるが、Ryotaのスピーチ内容を踏まえなければいけないという制約、語数の制約などが設けられ、やりにくい問題といえる。
8の場面展開を捉える自由英作文は、昨年には見られなかった「2文で書く」との指定があるが、場面イラストが4枚から3枚に減った。昨年同様、書き出しがあり、この設問に関しての難易度には大きな変化はないだろう。
●設問数29問 想定平均:50点前後(県教委発表)
《今回取材に協力してくださった学習塾》
●TOP進学教室(太田市)