新田暁高生、迷子の小学生を保護 桐生署が感謝状「大変ありがたい」
迷子の小学生を保護したとして、桐生署(大木晋署長)は8日、県立新田暁高校2年の渡部類さんに感謝状を贈った。
桐生署によると渡部さんは10月24日午後9時半ごろ、太田市大原町の県道沿いでみどり市在住の男児(小6)を発見。自身のスマホで男児の家族に連絡し、家族から連絡を受けた警察官が約30分後の同日午後10時ごろに現場に到着するまで男児を保護した。同署によると同日午後7時ごろ、男児の母親から行方不明の通報があり、桐生署員が捜索にあたっていた。渡部さんが保護したのは男児の家から約3㌔離れた場所だった。
渡部さんは当時、太田市内にあるスーパーのアルバイトを終えて帰宅する途中だった。自転車に乗っていると、前から自転車を押して一人で歩く男児が歩いていたという。「雨が降った寒い日の夜で、こんな時間に小さな子が一人でいるのはおかしいな、と思った。声を掛けたら返事の声が震えていて、泣いてるのかなと思った」と渡部さん。
児童から自宅と連絡を取る手段がないことを聞くと、渡部さんは自身のスマホを使って男児の母親に事情を話して無事の保護につなげた。警察や家族の到着を待つ間は、男児の好きなスポーツや学校のことなどを聞いて不安を和らげようと務めたという。「安心できるように話題を選んだ。自分には(男児と)年の近い妹(中1)がいて、よくおしゃべりしている経験が生きたと思う」と渡部さんは振り返る。
感謝状を渡した大木署長は「当時は夜遅く、発見が遅れていたら事故や事件に巻き込まれる恐れがあった。大変ありがたい」と感謝を述べた。渡部さんは「当時は『親御さんが心配しているだろうな』という思いだったので、まさか表彰を受けるとは思わなかった。これからも困っている人がいたら助けてあげたい」とほほ笑んだ。