家庭内での男女間の役割が平等なほど社会・情動的スキルが高い傾向に 群馬が国内唯一参加するSSESの調査結果から
群馬県教育委員会(平田郁美教育長)は10月25日、OECD(経済協力開発機構)が実施している「児童生徒の社会・情動的スキルに関する国際調査」(SSES)の報告書(第2弾)の概要を発表した。SSESは群馬県が国内から唯一参加している。
報告書によると、ジェンダー(男女の社会的・文化的な性差)のステレオタイプ(固定観念)については女性よりも男性の方に広がっており、その解消に向けた政策やプログラムは、女性だけでなく男性も巻き込む必要があると提言。学校はジェンダーのステレオタイプの是正するための絶好の場所であると位置づけた。
参加国全体で見ると、男子は女子よりもジェンダーに対する固定観念を持ちやすい傾向があり、特に政治的な指導的地位についてはその傾向が顕著に表れた。一方、群馬県の生徒ではこれらについての男女差はほとんど見られなかった。群馬では、「男性の方が女性よりも政治指導者として優れている」という意見に同意した男子は 13%(全体平均33%) で、女子は 9% (同10%)だった。
(OECDのSSES報告書を基に編集部が作成)
「高収入の仕事を持つことが男性にとって重要だ」という意見に対しては群馬県の男子生徒の20%(全体平均16%)、女子生徒の16%(同5%)が同意した。
報告書では、全体的な傾向として女性は男性よりも、掃除、料理、育児などの家事の責任を負いがちであると指摘した。群馬県でも、女性が家の掃除を主に担当していると答えた生徒が 49% だった。
一方で、家事を男女で分担している家庭の生徒は、性別による固定観念を持たない傾向があり、社会・情動的なスキルが高いことが分かった。群馬県の生徒においても同様の傾向を示し、家庭での平等性が高いほど、子どものストレス耐性、粘り強さ、楽観性、達成意欲などが高く、ジェンダーに関する固定観念と社会的・情動的スキルが強く結びついていることが裏付けられたと報告している。
(編集部)