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【タウンわたらせ】AI時代・変化の激しい社会で注目を集める能力 「非認知能力」って、なーに? 子どもの未来を支える“見えない力”を知ろう②

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【タウンわたらせ】AI時代・変化の激しい社会で注目を集める能力 「非認知能力」って、なーに? 子どもの未来を支える“見えない力”を知ろう②

子育て

みんなの学校新聞編集局 
投稿日:2025.11.02 
tags:Chat GPT, SAH, SAH 群馬, おおぞら幼保園 桐生市, すぎの子幼稚園, 中山芳一, 前橋南高校, 新田暁高校, 桐商, 桐商 スパーク, 桐生商業, 非認知能力

 点数では測れない力=非認知能力。自己肯定感や意欲、協調性、やり抜く力—これらは、日々の生活と体験の中で芽生え、伸びていきます。桐生市新里町の認定こども園「おおぞら幼保園」では隣接するすぎの子幼稚園とともに、川や里山、畑、飼育動物といった豊かな自然環境に加え、子どもに寄り添う人的環境を重ね、「教える」よりも「気づきが生まれる場」を丁寧につくっています。小池聖文園長に、その実践を聞きました。

 

自然×先生の「問い」が育む、子どもの〝見えない力〟 まずは心が動く場面を増やす

夏は園舎裏の川にウオータースライダーも

 標準的な小学校の校庭約5個分の広大な敷地を有する同園。園庭にはツリーハウスやターザンロープといった職員や保護者による手作りの遊具がたくさん並び、園の周囲には川や蛍の公園、手作りの遊び場がある里山「ぞっき林」もある。四季の変化に合わせて川辺で生き物を観察したり、手作りの遊具で身体を使って遊んだり。こうした日常は、偶然の発見と小さな挑戦の連続です。

 「動物ランド」ではポニーやヤギ、ウサギを年長児が当番制で飼育、畑では野菜なども栽培し収穫したての味覚も味わっています。自然から受け取る神秘性・はかなさ・不思議さを通して非認知能力はいや応なしに育まれますが、それをさらに高めるのは対応する人の環境だと小池園長は語ります。「心が大きく揺れる瞬間を丁寧に受け止めることが、非認知の芽を育てます」


先生は「答えを言わない伴走者」

自分たちが育てたサツマイモを掘って大喜び

飼育を通して命との関わりを育む

稲刈り、稲運びなど学年ごとに仕事を分担

 子どもが何かを見つけたとき、先生はすぐに名称を教えません。例えば虫なら図鑑をそっとそばに置き、「名前、調べてみようか?」と問いかけます。「こちらが先に答えを言ってしまうと、子どもの主体性が育ちません。発見を受け止め、問い返し、資料へつなぐ—その〝声かけ〟が探究を深めます」。先日は飼育していたウサギが亡くなることもあったばかり。「命に向き合うからこそ、別れも経験します。悲しみを共有し、弔うプロセスまで子どもと一緒に向き合います」


 けんかが起きたときは先生が善悪を裁くのではなく、まず当人同士で気持ちを伝え合わせるそう。自分の言葉で相手に伝え、相手の言葉を聞く経験が協調性と自己表現の芽を育てるそうです。


 こうした経験を通して自分への発見や気づき、挑戦にもつながり、もしダメだったときでもやり抜く力や負けない力が育まれる。豊かな自然に加えて発見を次の学びへ橋渡しする人的環境と「できた」を積み重ねさせるまなざしがあって育む非認知能力は日々の生活を丁寧に編むことが大切だと感じさせてくれました。


【取材協力】社会福祉法人峰悠会おおぞら幼保園

(桐生市新里町関548—4 ☎0277-74-0334) 

 

 

 

 

 

 

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編集部より 記事は配信日時点での情報です。

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