【タウンわたらせ】AI時代・変化の激しい社会で注目を集める能力 「非認知能力」って、なーに? 子どもの未来を支える“見えない力”を知ろう①
Chat GPTなどのAIが急速に広がる今、求められているのは〝数値では測れない力〟。それが「非認知能力」と呼ばれる、心の柔軟さや前向きに挑む力です。今回は、その力が人生の豊かさにどう影響するのかを探りつつ、群馬県内で進む「自律した学習者」育成の取り組みや、生徒の主体性を育てる高校の実践を紹介します。
■AIとともに生きる時代—群馬の高校で進む〝心の力〟の学び
Chat GPTをはじめ、文章づくりやイラスト、音楽制作までできるAIツールが次々と登場し、便利な時代になりました。一方で「人間の役割が失われてしまうのでは」と不安の声も聞かれます。
そんな中、桐生市立商業高等学校で講演した非認知能力の専門家・中山芳一先生は「AIは敵ではなく、うまく協力し合うパートナー」と語ります。AIの力を生かすためにも、今こそ大切なのが〝数値では測れない心の力〟、つまり非認知能力だといいます。
【写真】桐商で講演をした中山芳一先生(スカイホールで)
アメリカの経済学者ジェームズ・ヘックマン氏らの研究によれば、「非認知能力は人生の幸福や社会的な成功に深く関係している」とされています。
国語や英語など、点数で評価できる力が「認知能力」。それに対して非認知能力は、「最後までやり抜く力(グリット)」や「失敗してもあきらめず挑戦し続ける力」「新しいことを学ぼうとする意欲」など、心の働きに関わる力のことです。
今、学校現場ではこの〝見えない力〟をどう育むかが大きなテーマになっています。
■群馬県が推進! 生徒の「主体性」を育む先進的な取り組み
群馬県では「一人ひとりが自分で考え、学び、行動し続ける〝自律した学習者〟」を育てるため、授業の見直しや教育改革を進めています。
その中心となっているのが「SAH(生徒の主体性を育む実践指定校・協力校)」の取り組み。県内5校の指定校と10校の協力校(高校)が、非認知能力を育てるための実践を行っています。
群馬県立前橋南高等学校では生徒の提案によって校則を見直す、修学旅行の服装ルールを自分たちで考えるという活動を実施。群馬県立新田暁高等学校では、生徒が企画した〝恐竜の着ぐるみによるあいさつ運動〟が話題を集めています。
市立高校である桐商でも、今年4月に独自の教育ビジョン「S.P.A.R.K. for our well-being!」を発表し、非認知能力の育成に向けて動きだしています。
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