学校という共同体を明日に向かって活性化するものに 新桐生高校の校歌の作詞も 谷川俊太郎さん
戦後日本を代表する詩人の谷川俊太郎さんが13日、老衰のため東京都内の病院で死去した。92歳だった。
谷川さんは2021年4月に旧桐生高校と桐生女子高校が統合して誕生した新・桐生高校で、校歌の作詞を手掛けた。作曲は息子の谷川賢作さんが担当。統合前の両校校長(当時)が20年7月、東京・杉並区の自宅を訪ねて制作を依頼した。
制作依頼した当時の桐生女子高校校長で、統合後の桐生高校初代校長を務めた竹内敏彦さん(62)=太田工科専門学校校長=は、谷川さんとの面会時を「終始穏やかな笑顔で、学校の特徴などを詳しく聞かれた記憶がある。若者に前向きに希望を持って生きてほしいという思いが伝わってきた」と振り返った。
さらに「谷川さんらしい若者への愛情あふれる校歌をつくっていただいたことに、あらためて感謝し、ご冥福をお祈りしたい。校歌制作時の谷川さんの思いをかみしめて、生徒たちに歌い継いでいってほしい」と語った。
谷川さんは校歌の完成と同時に、生徒に向けたメッセージを寄せている。
「乱世と呼んでもいいような時代です。地球そのものが危機に瀕していて、これから生きていく若者たちには、難しい未来が待っています。校歌はそういう現実に立って、歌うことで学校という共同体を明日に向かって活性化するものでありたい。そんな気持ちから歌詞を書きました」
桐生高校校歌
作詞 谷川俊太郎
作曲 谷川賢作
百有余年の歴史を糧に
昨日から今日へと生きて
桐生に学び桐生を超えて
共に歩み共に励んで私たち
せめぎ合う明日を望む
絶え間なく動く世界を見つめ
ひとりから始める自分
桐生に根差し桐生に咲いて
共に笑い共に問いかけ私たち
めくるめく明日を目指す