「本気で挑んだ失敗、一つ一つが宝物」 漫画編集者のOBが講演 桐高開校記念講演
桐生高校(新井高広校長)は18日、同校第一体育館で開校記念式を開いた。記念講演には集英社で「週刊少年ジャンプ」の編集者などを務めたOBの川島直樹さん(45)が登壇し、漫画編集者の仕事内容や就職のきっかけ、在校生に向けたメッセージなどを講演した。
川島さんは桐生市出身。1998年に同校を卒業し、大学卒業後の2003年に集英社に入社。以降は編集者として「ワンピース」「ハンターハンター」「遊戯王」「彼方のアストラ」などの人気作品を担当。21年から低年齢層向けの漫画雑誌「最強ジャンプ」編集長、23年からはライツ事業部ドラゴンボール室・室長を兼任している。
式典には全校生徒約960人が参加した。川島さんは桐高時代を「暗黒時代」と苦笑いで振り返るも、応援団で価値観の違う生徒と交流した思い出などを紹介。「漫画のプロデューサー」として今まで世に出ていない漫画を送り出す醍醐味や、世界中にファンの輪を広げる漫画業界など、編集者の仕事と魅力をユーモアあふれる語り口で紹介した。
川島さんは高校生へのアドバイスとしてコミュニケーション力の重要性や、職業を選ぶ際に「自分が好きなこと」やその本質を考えることなどを提言。一番大事なこととして「失敗すること」を挙げた。「失敗からしか学べないことが山ほどある。本気でチャレンジして失敗したこと一つ一つを宝物として大切にしてほしい」と川島さんは呼び掛け、講演を締めくくった。
石井亮平さん(1年)は「『ワンピース』など何度も読み返すほど漫画が好きだが、漫画編集者として活躍する先輩がいることは知らなかった。何事も挑戦し、失敗を大事にしてがんばりたい」と声を弾ませた。