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「スマホは1日2時間まで」 豊明市、全国初の条例案を提出 強制力なし 家庭のルールづくり促す 

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「スマホは1日2時間まで」 豊明市、全国初の条例案を提出 強制力なし 家庭のルールづくり促す 

教育全般

みんなの学校新聞編集局 
投稿日:2025.09.05 
tags:スマホ, スマホ 勉強, スマホ依存, 豊明市 スマホ 条例

 愛知県豊明市が、市民全体を対象にした全国初の「スマホ使用条例」案を提出した。条例には強制力はなく、あくまで家庭でのルールづくりを後押しする狙いだ。

 条例案をめぐっては賛否が割れており、SNSを中心に全国的な議論を呼んでいる。市議会で9月22日に採決され、可決されれば10月1日に施行される。この条例案について専門家や読者はどう受け止めたか。声を拾った。

 

余暇の時間「1日2時間以内」ーーネットでも議論白熱

 愛知県豊明市は8月25日、全国で初めて市民全体を対象とした「スマホ使用条例」案を市議会に提出した。
 条例案は、仕事や勉強以外の余暇におけるスマートフォン(スマホ)やタブレット(ゲーム機やパソコンなども対象)の使用時間を「1日2時間以内」とする目安を示している。さらに子どもの利用時間については、小学生以下は午後9時まで、中学生以上は午後10時までとする基準を盛り込んだ。

 

 インターネットのニュースで、この条例案が報じられると、実業家の堀江貴文さんやタレントなどがSNSで反応。全国的な議論に発展した。「1日2時間以内」という言葉がクローズアップされ、同市の小浮市長は「ネット上で誤った記述が散見される」と反論。「2時間以内」という数字は余暇の時間であり、仕事や勉強などでの使用を含まないことを強調した。条例には強制力や罰則はなく、「2時間」もあくまで目安であり、超えても生活に支障がなければ問題はないとした。

 

 スマホ依存が学力に及ぼす影響を研究している東北大学応用認知神経科学センターの榊浩平助教は、「(スマホについては)学校や家庭で主体的なルールを作り、それを地域全体で支える取り組みが求められている」と条例案を評価した。「市内だけでなく全国で(スマホの利用について)議論を巻き起こすことに成功し、狙い通りの展開になっている」と話している。

 

保護者世代はおおむね好意的かーー編集部でアンケート調査

 みんなの学校新聞編集部は、このニュースが報じられた直後の8月26日から9月5日にかけて読者を対象にインターネットアンケートを実施した。アンケートには37人が回答した。回答者は40代~50代が約6割を占め、10代~20代の若者は約1割にとどまったため、保護者寄りの意見が多い傾向となった。

 

 条例案に「賛成」と答えた人は54.1%で過半数を占めた。「なんとも言えない」は29.7%、「反対」は16.2%だった。

 

 賛成する理由については「スマホが原因で犯罪が起きているから」が最も多く、続いて「視力低下などの健康被害」や「学力低下」を懸念する声が挙がった。50代以上では条例案賛成の割合が高く、女性の方がやや賛成派が多い傾向が見られた。特に母親世代からは「子どもの生活リズムへの影響」を心配する声が目立ち、「家庭でのルール作りを後押ししてくれる」と評価する意見もあった。

 

 50代男性は「条例まではどうか」と前置きしつつも「大人も含めて使い方の注意だけでは限界がある。条例は依存リスクに気づくきっかけになるのでは」と答えている。

 

 一方、条例化に反対する理由としては「2時間という規制時間の根拠が不明確」との声が最も多かった。「規制そのものに反対ではないが、自治体が条例で行うのは行き過ぎではないか」という意見も多く見られた。

 50代女性は「個人が考えるべきことで、自治体に指示されることではない。強制力がないなら、条例化の意味がない」と厳しい見方を示した。

 

「なんとも言えない」と回答した人は約3割。主な理由は「方向性は理解できるが実効性に疑問がある」「家庭ごとの事情をどう考慮するのかが課題」といった慎重な意見だった。

 

 また「今回の条例案に限らず、スマホについては法令などで何らかの規制は必要か」の問いに対しては56.7%が必要性を感じていることが分かった。

 

× × ×

 

 同市の小浮市長は「市民の権利を制限するものではなく、適正利用を考えるきっかけにしてほしい」と述べ、市民の間でも議論が広がっている。条例の成立可否は議会の判断に委ねられる。9月22日の市議会の採決に注目が集まっている。

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編集部より 記事は配信日時点での情報です。

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