心水塾教務部次長に聞いた 群馬県公立高校入試 徹底分析 数学編
入試制度が前後期一本化され、すべての受験生が50分という限られた時間で挑むことになった群馬県公立高校の数学。2025年度の平均点は55.6点と例年並みでしたが、その出題形式には近年の教育改革を反映した「大きな変化」が見られます。今回も、心水塾(本部・前橋市)の教務部次長・大井泉さんに、最新の入試分析と対策を伺いました。
■2025年度入試の「現在地」
今年度の大きな特徴は、全27問中、基礎・標準レベルの問題が26問(96.3%)を占めたことです。発展的な難問が減り、比較的高得点が狙いやすくなっています。
群馬県公立高校入試 数学の平均点推移(縦軸:点)

とはいえ、油断は禁物。「平均点は55.6点と例年並み。2022年からの易化傾向は続いてはいます。ただ、2021年以前は50点を割る年が続いていたことも忘れてはいけません。今年が簡単だったからといって、来年も同じ難易度だと予断を持たない方がいい」と大井先生はアドバイスしてくれました。
問題構成は例年通り大問5題。大問1は広範囲から出題される独立小問群で、大問2以降は「2次方程式の応用」「円周角の性質」「1次関数の応用」、そして「空間図形」と、中学3年間の全範囲からバランスよく出題されました。

■大井先生が注目する「3つの変化」
問題の難易度が落ち着いた一方で、解く側には新しい力が求められるようになっています。
① 「選ぶ」力が問われた大問2

2次方程式の典型問題かと思いきや、解の範囲をあらかじめ考えさせた上で、2つの方針から自分で選択して立式させるという、今までにない出題がされました。「ただ計算するだけでなく、自分の思考プロセスを自覚する力が求められていますね」
② 身近な題材とICTの活用

大問3ではコンピューターを用いた図形の考察、大問4ではラーメン店の麺の重さと値段といった、日常的な場面を数学的に切り取る問題が出題されました。 「文章量が増え、会話形式で問題が進むのが近年のトレンドです。ポスターや会話文から必要な情報を正確に読み取る力は、もはや必須と言えるでしょう」
③ 5年ぶりの空間図形
大問5では、久しぶりに空間図形がメインで扱われました。ピラミッドの影から高さを求めるような、相似や三平方の定理を融合させた総合力が試される内容です。「来年度は『球』を含めた空間図形の対策も、しっかり注意しておく必要がありますね」と大井先生はアドバイスしてくれました。
■合格への「攻め」と「守り」の戦略
全問題の9割以上が基礎・標準レベルである以上、取りこぼしは致命傷になります。 「まずは教科書内容を完璧にし、学校のワークや塾のテキストを早めに解き直すこと。基礎レベルの問題を確実に正解できる『安定した力』をつけることが、合格への最短ルートです」と大井先生。教科書レベルの問題をしっかり固めておくことの重要性を説きます。
上位校を目指すなら、長文化した問題文を読み解く『スピード』を意識することも大事。「発展問題といっても『じっくり考えれば解ける』レベルに変わってきています。過去5年分の過去問や全国の入試問題に触れ、初見の事象を数理的に考察する訓練に時間をかけましょう」
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