心水塾教務部次長に聞いた 群馬県公立高校入試 徹底分析 社会編
群馬県の公立高校入試において、社会は今、大きな変貌を遂げています。2025年度の平均点は前年の54.0点から60.1点へと大幅に上昇。「易化した」という声が聞こえる一方で、その中身を精査すると、受験生に求められるスキルの質が変わってきていることが分かります。心水塾(本部・前橋市)の教務部次長・大井泉さんに最新の入試傾向と、取り組むべき攻略法を伺いました。
■記述が減り、思考力の問われる選択問題が増加
今年度の構成は、大問7問、総設問数35問。地理・歴史・公民がバランスよく配分された群馬県の伝統的なスタイルを継承しつつも、明確な変化がありました。
「最大の特徴は、記述問題が各分野1題ずつに整理され、その内容が『資料から取り組みを素直に読み取る』という標準的なものに定着したことです。かつての自分の意見を深く考察させる記述問題が姿を消し、採点基準が明確な形式になったことが、平均点上昇の大きな要因でしょう」と大井先生は分析します。

しかし、手放しで喜ぶのは禁物です。平均点は上がりましたが、問題が「簡単になった」わけではありません。むしろ、より正確な知識と読解力が求められるようになっています。記述が減った分、記号問題には「罠」が仕掛けられています。 「2つの文の正誤を判断する組み合わせ問題や、正解の数が指定されない複数選択問題が増えています。あやふやな知識では確実に点を取りこぼすよう設計されていますね」と大井先生は分析します。
左は2019年度の社会の解答。右は2025年度の解答。比べると記述問題が激減していることが分かる。

「複数選択」と「正誤判断」の増加
最近の群馬県入試では、正解の数が指定されていない複数選択や、2つの文(X・Y)の正誤を組み合わせる問題が目立ちます。なんとなくの知識では消去法が使えず、一つひとつの語句や事象の本質を理解していないと足元をすくわれます。
[正誤判定問題の例]

時代を反映する公民分野
SDGsや身近な社会問題をテーマにした出題が継続しています。教科書の中だけの話ではなく、ニュースや世相に関心を持ち、それがどのような法律や制度に関わっているのかをリンクさせる力が必要です。
[例]

また、分野別に見ると、群馬県特有のこだわりが見えてきます。
「地理では、昨年に続き大問1つが丸ごと特定の都道府県(今年は北海道)に絞って出題されました。その土地の気候、農業、抱えている課題までを多角的に問う『地誌』の力が必要です。また、歴史では例年通り『世界から見た日本』がテーマ。日本史を単独で覚えるのではなく、諸外国との関連性の中で理解することが不可欠です」と大井先生。
■社会を暗記科目で終わらせにために心がけたいこと
① 語句は「意味」とセットで覚える
教科書の太字を覚えるのは当たり前。大切なのはその語句の背景や意味を説明できるレベルまで理解することです。断片的な知識ではなく、関連性を意識した『厚みのある知識』を蓄えましょう!
② 夏までに基礎、2学期からは演習の鬼に
夏休み中に全範囲の基礎を完成させることが絶対条件です。2学期以降は、全国の入試問題を解きまくってください。答え合わせに時間をかけ、間違えたその場で関連知識ごと覚えてしまうのがコツです。
③ 資料を「素直に」読み取る訓練
近年の記述は、資料の中に答えのヒントが隠されています。自分の思い込みで書くのではなく、与えられた図表やグラフを正確に分析する読解力を磨きましょう。
(編集部)
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