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SNSで拡散される「高校偏差値Tier表」に物申す

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SNSで拡散される「高校偏差値Tier表」に物申す

オピニオン

みんなの学校新聞編集局 
投稿日:2026.02.04 
tags:SNS, tomo.okane, インスタグラム 高校, 偏差値, 情報リテラシー, 群馬 高校, 高校難易度Tier表

 最近、というより少し前から、全国の高校や大学を偏差値で序列化した「Tier表」を投稿し、相当なアクセスを集めているインスタグラムのアカウントがある。

 左側には「神」「ござる学生」など独特の呼称が並び、高校版では「高校難易度Tier表」と題して学校名をランク分けしている。
 一見すると、よくある受験系コンテンツの一種にも見えるが、その影響力を考えると、見過ごせない問題をはらんでいる。

 この投稿を手がけているのは、tomo.okane氏。プロフィールには「デジタルクリエイター」「社会人の1日30秒お金の勉強」とあり、SNS総フォロワー数は約26万人、月間1.8億PVと紹介されている。インスタグラム単体でも約24万人のフォロワーを抱え、発信力は非常に大きい。

 

 もちろん、こうした投稿をどこまで信じるかは見る側次第だ。しかし、SNSの情報を無批判に受け取ってしまう人が一定数いるのも事実である。だからこそ、あえて問題点を整理しておきたい。

 

 まず前提として、tomo.okane氏が教育分野に携わってきた人物かどうかは不明だ。それ自体を問題にするつもりはない。ただし、今回の「高校難易度Tier表」には、看過できない点がいくつもある。

 

この表の問題点

(1)偏差値で序列化されているにもかかわらず、その偏差値の出典が一切示されていないことだ。偏差値は母集団の平均を50とする相対的な指標であり、模試や調査会社、対象集団が変われば数値は簡単に変動する。偏差値という概念そのものを否定するわけではないが、出典不明の数値で高校を一列に並べることには、強い違和感が残る。

(2)実在しない、あるいは誤った学校名が含まれている。たとえば群馬県のTier表に、神奈川県立の湘南高校が含まれていたり、統合されたため実在しない沼田女子高校が表記されている。明らかな事実誤認だ。

(3)「群馬工業」という高校名が記載されているが、そのような高校は存在しない。おそらく群馬工業高等専門学校(群馬高専)を指していると思われるが、高専と高校は制度上まったく異なる。

(4)県立太田高校が表から漏れている。ほかにも抜け落ちている学校がある可能性は否定できない。

 こうした誤りを含む情報であっても、「バズっている」「フォロワーが多い」という理由だけで正しいと信じてしまう人は必ずいる。特に、情報リテラシーの面で大人より未熟な中学生や高校生が、進路選択に関わる情報として鵜呑みにしてしまう危険性は小さくない。

 多くのフォロワーを抱え、強い影響力を持つアカウントだからこそ、発信には正確性が求められる。それは表現の自由とは別の次元の話だ。
 「面白そう」「分かりやすそう」に見える情報ほど、一度立ち止まって疑う姿勢が、今のSNS時代には欠かせない。

(みんなの学校新聞 編集長 峯岸武司)

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編集部より 記事は配信日時点での情報です。

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