【連載】平成30年度 群馬県公立入試 動向分析(5)桐生地区編
18日、県教委から第2回進路希望調査が発表された。定員削減が実施された8校の倍率は本紙が夏の段階で予測した数値とほぼ同じような推移をしていることが分かった。
ただ、細かくデータを読み解いていくと、10月段階ではほぼ平年並みの志望性向を示していたが、各高校により昨年とは異なる志望性向を示す高校も出てきた。
みんなの学校新聞では12月調査が発表される前に、定員削減が実施される自治体の去年の中学3年生と今年の中学3年生の人口の減少率を調査し、仮に昨年度と同じ程度の志願者が集まった場合、定員削減が実施された場合にどのような数字が出るかシミュレーションを行った。
表中(B)の志望者数は昨年同時期の調査の数字を入れたもの。(E)は(B)に人口減少率を加味してはじき出した予測値。この予測値をもとに、昨年と同じ定員だった場合の今年の予測倍率が(F)、定員削減が実施された場合の今年の予測値が(G)である。
定員削減が実施されたことにより、受験生の志望マインドが弱気になっていると仮定するならば、(E)の数値が下がり、結果として実際の倍率(H)はもう少し低めの数値が出るはずだ。
この前提を基に学校別に分析を試みる。
◆桐生高校(普通科)
予測値1.53に対して、12月調査の倍率は1.49。大きく予測値は外れてはいないが、若干、低めの数字で出た。カギを握る伊勢崎の生徒数が昨年ほどではないことが影響したか。とはいえ、この倍率自体は、過去5年で見ても相当高い。離脱率は定員削減という要因があったものの、昨年ほどではない。昨年は10月調査から、11%の離脱があったが、今年は7.5%だ。桐生高校の場合、10月の調査から後期倍率まで右肩下がりに倍率が下がっていくのが例年の傾向である。その流れで行くと、この数字からまたさらに下がる可能性はある。
◆桐生女子高校
予測値1.27に対して、12月調査の倍率0.95。予測を出した高校で、もっとも大きく外したのが桐女だ。定員削減されても、5年の平均を下回ったのは、想定外だった。10月調査段階での予測値と実際値はほとんど一致していたので、昨年に比べて跳ね上がりがなかったということだ。桐生市内のある塾関係者は「(桐生高校と)統合される運命にある学校。自分の母校がなくなることを考えると、やはり選びにくかったのではないか」と分析する。ただ、0.95倍ということで、例年の動きで見れば、後期倍率では定員割れを起こすような事態にはならないと予想される。1.05~1.15倍の範囲に収まるのではないか。
(つづく)
(編集部=峯岸武司)