【連載】平成30年度 群馬県公立入試 動向分析(6)館林地区編
18日、県教委から第2回進路希望調査が発表された。定員削減が実施された8校の倍率は本紙が夏の段階で予測した数値とほぼ同じような推移をしていることが分かった。
ただ、細かくデータを読み解いていくと、10月段階ではほぼ平年並みの志望性向を示していたが、各高校により昨年とは異なる志望性向を示す高校も出てきた。
みんなの学校新聞では12月調査が発表される前に、定員削減が実施される自治体の去年の中学3年生と今年の中学3年生の人口の減少率を調査し、仮に昨年度と同じ程度の志願者が集まった場合、定員削減が実施された場合にどのような数字が出るかシミュレーションを行った。
表中(B)の志望者数は昨年同時期の調査の数字を入れたもの。(E)は(B)に人口減少率を加味してはじき出した予測値。この予測値をもとに、昨年と同じ定員だった場合の今年の予測倍率が(F)、定員削減が実施された場合の今年の予測値が(G)である。
定員削減が実施されたことにより、受験生の志望マインドが弱気になっていると仮定するならば、(E)の数値が下がり、結果として実際の倍率(H)はもう少し低めの数値が出るはずだ。
この前提を基に学校別に分析を試みる。
◆館林高校
予測値1.08に対して、12月調査の倍率は1.07。的中といってもよい数字だ。12月調査段階では、この5年で最も高い倍率で、定員割れも回避された。まさに削減効果といっていいだろう。館林高校は後期倍率が12月調査に比して上昇する傾向があるので、後期の競争率の激しさは平成28年以来となりそう。
◆館林女子高校
予測値1.07に対し、実際値1.00。やや低めに出たということは、昨年の受験生よりも志望性向が弱気になったということだろうか。削減されたことで競争を回避した層がいたのかもしれない。昨年は10月段階から9.5%増加したのに対し、2%増に踏みとどまった。ただ、館女は後期にかけての上昇率が高い高校だけに、後期は1.2倍程度はいくのではないか。平成27年入試に近い動き方をしている。
(編集部=峯岸武司)