「チャンスに備えよ」 サッカー元日本代表・ラモスさん、中学生に語る 桐大付特別講演
サッカー日本代表として活躍したラモス瑠偉さん(65)=カリオカスポーツプロモーション代表=の特別講演会が25日、桐生市小曽根町の桐生大学付属中学校で開かれ、「夢をあきらめない」をテーマに1年生から3年生まで生徒82人に熱いメッセージを届けた。
ラモスさんはブラジルのリオデジャネイロ出身。1977年に来日し、読売FCへ入団。89年に日本に帰化し、日本代表入りした。Jリーグ発足後は読売ヴェルディで活躍し、98年に現役を引退。その後も監督、コーチ、解説者として活躍している。
【写真】「夢をかなえるには準備が大切」と語ったラモス瑠偉さん(桐生大学付属中の講堂で)
14歳の時、初めて描いた「サッカー選手になる」という夢をかなえたラモスさん。原動力は若くして夫を亡くし、5人の子どもを育てるために働きづめだった母を「大きな家に住まわせてあげたい」という思いだった。
そのために「少しでもお金を稼ぎたい」と、20歳で来日。ポルトガル語が話せる主将の松木安太郎さんはいろいろ気にかけてくれたが、言葉や文化の壁は厚く、チームメートともうまくいかない中、慣れないポジションで出た試合で退場処分となり、さらに1年間の出場停止を課されてしまう。
その時、海外からもっと条件のいいオファーも来たが、「絶対に逃げない。日本でサッカー選手として認められるまで帰らない」との強い気持ちで「誰よりも練習していた」。結果、復帰したシーズンで全タイトルを奪う活躍をみせた。
ラモスさんは「活躍できたのはうまかったからではない、逃げなかったから。『感謝』『恩返し』『リスペクト』を大事に、チャンスが来たときに備え、準備していたから。これはサッカーだけでなく、人生も同じです」などと語り掛けた。