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【公立後期入試】採点基準の現場を歩く

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【公立後期入試】採点基準の現場を歩く

高校入試

みんなの学校新聞編集局 
投稿日:2017.03.02 
tags:高校入試, 公立高校, 群馬県, 教育委員会, 群馬県公立高校, 群馬県公立入試, 入試, 傾向と対策, 後期入試, 群馬 公立 後期, 群馬 公立高校, 採点基準, 埼玉 教育庁

採点基準ってどうなっているの?

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 群馬県教育委員会は、公立高校の模範解答は公開するが、採点基準については非公表だ。そのため、どのような基準に基づいて採点が行われているかは分からない。

 

 ある大手塾関係者の話では、「模擬テストの得点分布と、実際の入試の得点差を見ると、学校別に異なる採点基準になっているのではないか」と推測する。

 

 たとえば、前橋高校を受験したAくんは模試ではいつも90点以上、一方、別の高校を受験したBさんは同じ教科でいつも50点を超えることはない。しかし、実際の入試の結果を比べると、A君は70点台、Bさんは50点超になる。こういうケースは少なくないそうだ。

 「一般に進学校は厳しく採点されていて、高校によっては緩やかな基準で採点されているように思います」と先の関係者は話す。

 

 では、公立入試の採点基準はどのようになっているのだろうか。気になる受験生も多いはず。今回は、公開している自治体の事例を踏まえ、採点基準の「現場」を取材した。

 

 都道府県の教育委員会でも、埼玉県は全国的に情報公開度が高い。埼玉県教育庁は、「採点に関する原則」という文書を公開し、検査自体の全体基準を示し、さらに「教科別の採点基準」を公表している。

 もちろん、これがそのまま群馬県の基準に当てはまるとは言えないが、国の学習指導要領に基づいておこなれる検査という点を考えると、群馬の受験生にも参考にはなるはずだ。

 

***

 □「採点に関する原則」(平成28年度版)抜粋

 

 この「採点に関する原則」は、受検者のいろいろな解答を予想して、採点する場合の基 準を示したものである。採点は、次の1~5及び各教科の「採点の手引」によるものとする。

 

1 問題のねらっていることが、理解されているとはっきり判断できるものは、正答とする。

 

2 部分点については、次のとおりとする。

(1) 各教科の「採点の手引」の「採点上の注意」に「部分点を認める」と示した問題以外の問題についても、各学校の裁量で部分点を認めてもよい。

 

(2) 部分点は整数とし、0点を下回らない。

 

3 次のような場合は、各学校の裁量により正答と認めて差し支えない。なお、正答と認 めず減点する場合は、上記1の趣旨を踏まえ、過度な減点は行わない。

 

(1) 「ひらがな」で書くべきところを、「かたかな」で書いた場合。

 

(2) 「かたかな」で書くべきところを、「ひらがな」で書いた場合。

 

(3) 漢字で書けるところを、「ひらがな」等で書いた場合。

 

(4) 文字そのものの正確さを問う問題を除いて、文字についての若干の誤りや不正確な 点のある場合。

 

4 上記3以外で、指示に反した答え方をした解答や判読に苦しむような解答は、正答と 認めない。

 

5 各教科の「採点の手引」に示したもの以外の正答も予想されるので、十分留意する。

 

***

 

 この総則を踏まえて、各校がそれぞれの裁量に基づいて行われていることが分かる。先の大手塾関係者の話と照らし合わせても、群馬県も各学校の裁量に基づいた採点が行われているとみていいだろう。

 

 では、字数の多い問題の採点基準はどうなっているのか。埼玉県の問題を例に見ていこう。

 

《 H28 英語 大問5(自由英作文)》

埼玉 基準1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●上記の問題に対する細かい採点基準

埼玉 基準2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《 H28 国語 大問5(作文)》

埼玉 基準3(国語)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 東京都も平成26年度の入試から記述式問題の採点基準を公開した。

問:あなたは、日本の良い所について授業で発表することになりました。あなたが外国人に伝えたい日本の良い所を一つ取り上げ、それを取り上げた理由などを含めて、三つの英語の文で書き表しなさい。

 

という英語の自由作文の問題に対し、都の公開した基準は、こちら(東京都基準)だ。

 

 英語学習に関するサイトを運営しているMakkiさんは、Makki’s Let’s Speak English!というサイト内の記事で、「塾で多くの中学生が、英作文で困惑する姿を長く見てきた者として、埼玉県教育委員会が、誰でも閲覧できるホームページ上で、このように『採点基準』を公表してくださっていることに、敬意を表したい」とした上で、「『採点基準』が示されたことで、埼玉県では、多くの生徒が『英作文を作るにあたり、何を気を付けるべきか』しっかり、理解できる。『綴りが分からない単語が1~2個あっても、≪書いてみよう≫という気持ちが沸く』生徒も出てくる」と埼玉県の取り組みを評価している。

 

 一方で、群馬県のように採点基準を非公開にしている教育委員会も少なくない。これに対し、Makkiさんは、

「採点基準を非公開にしている自治体には、出来るだけ速やかに、『採点基準公開』にして頂きたいと思います。基本的な『採点基準』が示されることで、生徒達の『英作文に取り組むやる気』を高め、『時代に合った英語力というのはどういうものなのか』を、多くの人が考えるきっかけにもなるのではないでしょうか」と提言している。

 

 群馬県内でも採点基準の一定の公開を求める教育関係者は多い。

 

 県内のある塾関係者も、「基準を公開することにより、学校・塾での指導の水準も上がると思う。県にはぜひとも前向きに検討してほしい」と話した。

(編集部=峯岸武司)

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