ホーム

»

学校ニュース

»

【特集】県内高校の「MARCH」合格者ランキング

学校ニュース

一覧はこちら

【特集】県内高校の「MARCH」合格者ランキング

大学入試

みんなの学校新聞編集局 
投稿日:2017.03.28 
tags:MARCH 群馬 高校, 中央大学 群馬 高校, 明治大学 群馬 高校, 法政大学 群馬 高校, 立教大学 群馬 高校, 青山学院 群馬 高校

合格者ランキングにMARCHの個性が出ている

写真を拡大

 みんなの学校新聞では、大学通信・サンデー毎日・週刊朝日の合同調査と各私立高校のホームページ(公表されているもののみ)を参考に、群馬県内の高校の「MARCH」(明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学)の合格者数の上位ランキング(上位7位まで)を作成した。

 「早慶上理」では前橋・前橋女子・高崎・高崎女子・太田のトップ校5校が全校制覇したが、MARCHにはこれに加えて太田女子が加わった。

 

■県内高校の明治大学・中央大学合格者ランキング(上位7校)

明中

《 明治大学 》

 明治大学といえば、40代半ば以上の世代には「武骨」「体育会」というイメージがあるが、現在、明治大のキャンパスに足を運ぶと、女子学生の姿が目立つ。
 明治大学は1998年にリバティタワーを完成させた。リバティタワーの内装はとくに女子学生を意識したアメニティーを整備している。とりわけトイレには力を入れているそうだ。個室トイレは1階に約30個、そのほか各階に約6個が備わっている。他大学が平均3~4個なのに比べるとその充実ぶりがうかがえる。パウダールーム(化粧室)まで設けられているから驚きだ。
 国際日本学部や情報コミュニケーション学部といった女子に人気を集める学部が新設されたことも人気を押し上げた。こうした改革が奏功し、1988年に12.9%だった女子学生比率は、2016年には34.4%にも増えた。

 今や、明治大学に「男くささ」はない。リクナビ進学2015(関東圏)でも、明治大は女子高生の「受験したい大学No.1」に選ばれている。前橋女子・高崎女子・太田女子といった県内の主要な女子高がランキングに入っているのも、こうした流れの影響を受けているといえる。

 

《 中央大学 》

 キャンパスが八王子にあり、学部再編が最も遅れた中央大学はMARCHの中で地盤沈下を起こしているといわれている。東洋大学がキャンパスの都心回帰をいち早く進め、人気を集める大学になったのとは対照的だ。司法制度改革で「弁護士」という職業のコストパフォーマンスが悪くなった。法科大学院で高い学費を払って晴れて弁護士になったものの、分母が増えたことで、職に就けない弁護士も出てきたといわれている。最近では多少人気を回復させたものの、「法学部」の権威は失われつつある。そして、「法学部」が看板学部の中央大学にとっては、このことも大きく響いたといえる。

 2022年までには中央大学も「都心回帰」を表明し、改革を推し進める方針だ。

 県内を見ると、地方学生に人気を集める中央らしさが出ている。「中央中教」が20人(定員の約17%)と多いのは「中央」つながりで親しみがあるためだろうか。

 

■県内高校の青山学院大学・立教大学合格者ランキング(上位7校)

青立

 

 

 

《 青山学院大学 》

 ミッション系は以前から女子高生には人気が高い。その辺りが如実に表れた結果といえるだろう。男子校が1、2位を占めた明治・中央とは対照的に、青山学院は女子高が1、2位になった。

 渋谷という好立地、サイバーエージェントの藤田晋社長を輩出し、IT系の就職に強いイメージも女子の人気を集めている要因といえる。

 同じミッション系の高校である共愛学園が5位にランクイン。青学は英語の問題が難しいことで知られている。中央中教やGKAといった英語に強い学校も健闘したのもその辺りが関係しているのかもしれない。

 

《 立教大学 》

 青学と同様、ミッション系として女子の人気が高い立教大学。MARCHの中では存在感が薄い印象のあった立教大学が、今、大学受験界で「台風の目」になっている。とりわけ、経営学部は注目の的で、早稲田の商学部と難易度で肩を並べたともいわれている。「早慶より立教の経営が第1志望」という受験生までいると、「週刊朝日」では報じられている。

 立教大学の経営学部は2006年に新設された学部で、BLP(ビジネス・リーダーシップ・プログラム)と呼ばれる独自のカリキュラムが特色だ。このプログラムでは大手企業と協力しながら学生がグループワークを進める。

 週刊朝日によると、たとえば「日本の食が豊かになるために、吉野家ホールディングスができることを提案せよ」というテーマが、同社から出されると、学生は1チーム4~5人の全90チームに分かれ、ビジネスプランを立てるそうだ。資料を作り、コンテストでプレゼンテーションを発表し合って優勝を競うスタイルの講座は、次世代型のスタイルで、より実戦的だ。
 ランキングで特徴的だったのは、桐生高校が入っている点だ。どちらかといえば、バンカラなイメージのある同校が、青学・立教のミッション系の大学に入っているのは面白い。
 
■県内高校の法政大学合格者ランキング(上位7校)
法政

 

《 法政大学 》

 法政大学といえば、法学部・文学部というイメージが強いが、2008年に新設されたグローバル教養学部が注目されている。難易度では早稲田の国際教養学部と並ぶともいわれる。

 法政は2017年の私大一般入試で志願者を前年比16.9%を増やした(「大学通信」2月16日現在のデータ)。受検者数は11万9206人。受験者数は偏差値と並んで私大の人気を示すバロメーターの一つ。少子化にあって、志願者数を大幅に増やしている。このことからも、今の法政人気がうかがえる。

 法政大学のイメージをアップさせたのは、東京六大学初の女性総長になった田中優子氏の存在も大きいといわれる。和服を着こなし、江戸文学を専門にする田中氏は、メディアにもたびたび顔を出し、同大学のブランドリーダーでもある。「自由を生き抜く実践知」を掲げた大学憲章を制定し、リベラルな校風づくりに力を入れている。

 こういった改革が影響しているかどうかは分からないが、県内の高校でも女子高の「法政人気」は高い。ただ、青学・立教と一線を画すのは、バンカラなイメージの強い高崎・前橋・太田といった男子校が上位を独占している点だ。

 昔の法政のイメージと現在の法政のイメージが交じり合った結果になっていると見ることもできる。

 

(編集部=峯岸武司)

※6月1日時点で、共愛学園からの指摘があり、青山学院のランキングが変動したため、訂正いたしました。関係者の皆様には大変ご迷惑をおかけいたしましたこと、この場をお借りしてお詫び申しあげます。 編集部

ページトップへ