受験にあたって家族ができること、本人が心がけることーGSC松本会長に聞く(2)
高校受験に家族はどう向き合い、本人は何を心がければよいのか。県内最大規模の模擬テスト「統一テスト」を運営する株株式会社GSC(前橋市)の松本晋会長に聞いた。
■受験に際して家庭でやってほしいこと
保護者のみなさんはお子さまの今までの生活習慣を見直し、改めなければいけないことはそのように促していく必要があります。
中学生は半分おとなで半分こどもです。親が子供に対して文句だけいうのでは何の解決にもなりません。普段、子供の様子をしっかり観察し、愛情をもって親身な相談役になることが大切です。
本人たちは、受験というプレシャーの中で、精神的な面や身体的な面で今までに見られなかったような変化を来すことも少なくありません。そこで、これからの大切な時期に家庭における子供の生活をどのように方向づけしてやればよいか。次の4つの指標を挙げたいと思います。
① 子供が目標を持って毎日を充実したものにする工夫ができるようサポートする
② 子供が自主的・自立的な生活を送れるようサポートする
③ お子様が強い意志をもって受験に向き合えるようにサポートする
④ お子様の健康管理をサポートする
■受験生としての心得
実力は日々の努力の積み重ねによって養われるもので、一朝一夕には行きません。毎日の生活が納得のいくものであれば、必ずあとになってその成果が表れるはずです。
公立高校の出題はすべて教科書から出されます。学習指導要領をベースに作問されるため、この枠組みを外れることはまずありません。
出題の比率でいえば、1・2年分野で約7割が出題されます。それゆえ、まず中学1・2年の内容をしっかり復習することが肝要です。それが受験勉強の土台作りといってもいいでしょう。その際、教科書が一番の参考書になります。もうすでにホコリをかぶっているかもしれませんが、1・2年次の教科書を引っ張り出して参考書として活用してほしいと思います。
日々の生活のポイントとしては、当たり前といえば当たり前ですが、次の2点に留意してください。
・学校の授業を真剣に受けること。
・計画性をもって学習すること。
簡単なようではありますが、いざ実践となると容易なことではありません。
理想を言えば、家で授業の予習を行い、学校の授業で予習した内容を掘り下げて完全理解につなげ、そして、また家庭学習などで復習する。復習は定着・習熟のためには不可欠です。家庭(予習)→学校(授業)→家庭(復習)のサイクルを作れるとよいでしょう。
家庭学習では時間割を無理のない形で作り、それにのっとってやることで、時間を有効活用できます。
その際、学習する教科の組み合わせを考え、学習内容に変化をつけたいところです。休息の入れ方などの工夫も必要でしょう。
自らの試行錯誤の中で、自分に適した学習法をいち早く確立していくことが大切で、人の成功事例をまねしても、うまくいかないことも多いと思います。あくまで自分で構築することが大切です。
参考書や問題集選びも、背伸びせず自分の能力に見合ったものを選ぶことを心がけてください。それを繰り返し使うことで、内容を深めていくことができます。
具体的な方法などがわからない場合は、学校の先生や塾の先生などにアドバイスを求めてもいいでしょう。
実力養成に近道はありません。1年後を見据えて、計画的に受験に臨んでほしいと思います。
《メモ》
株式会社GSC 前橋市に本社を置く高校受験向け模擬テスト「統一テスト」を運営する会社。模試は県内を中心に約680塾が参加、県内最大規模を誇る。模試は塾に通っていない子や県外(群馬の高校を受験する方向け)の子も自宅受験できる。詳しくはこちら。
(構成 編集部=峯岸武司)