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【密着取材】R高校で初の宿泊型スクーリング 桐生の文化に触れ学び深める

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【密着取材】R高校で初の宿泊型スクーリング 桐生の文化に触れ学び深める

教育全般

みんなの学校新聞編集局 
投稿日:2025.09.25 
tags:R高 スクーリング, R高等学校, S高, 桐女 跡地 N高 R高, 桐生市 R高, 角川ドワンゴ学園, 通信制高校

 今年4月に開校した学校法人角川ドワンゴ学園運営のR高校(桐生市梅田町、奥平博一校長)が、9月23日から26日にかけて初の宿泊型スクーリングを実施した。全国から同校に在籍する高校2年生を中心に約90人が参加し、地元の文化体験や調理実習などを通じて学びと交流を深めた。

 

スクーリングはR高の大切な行事

 「卒業までに一度は本校を訪れるというのが私たちの考え。本校でのスクーリングは学校行事の中でも最も大きなものと位置づけています」と奥平校長は初の宿泊型スクーリングをR高校で実施できたことへの思いを述べた。

 同校は開校以来、通学型のスクーリングを2回行ってきたが、宿泊を伴うのは今回が初めて。「伝統と歴史ある桐生で、織物や八木節などの文化に触れてほしい」と奥平校長は期待を寄せる。

 

初年度は年間8回のスクーリング 

 同校には5月1日(学校基本調査の基準日)時点で1,255人が在籍。うち約1,000人が1年生で、約9割が群馬県外の生徒だという。在籍数は順調に推移しており、初年度は3,000人を見込む。

 スクーリングは今年度は通学型5回、宿泊型3回を予定しているが、生徒数が多い現1年生が進級すると、スクーリングの参加規模はさらに拡大するとみられる。実際、沖縄県が本部のN高では年間約30回、茨城県が本部のS高では年間約20回のスクーリングが実施されている。

 

地域文化に触れる多彩なプログラム

 初日は特別活動の時間に「上毛かるた」を使って交流を深め、2日目は授業に加えて鳳仙寺での座禅体験を行った。3日目にあたる25日は、本校での対面授業と織物参考館「紫」での染物体験などの課外授業が組まれた。

 午前11時からの家庭科の授業では、こんにゃくを使った調理実習が行われた。約30人ほどの生徒がグループに分かれ、「こんにゃくゼリー」と「こんにゃくの田楽」を調理した。

 家庭科担当の大塚美鈴教諭が群馬でこんにゃく生産が盛んな理由や食材の特徴を解説すると、生徒たちは真剣に耳を傾けていた。その後、実習がスタート。出来上がった料理はみんなで味わった。

 石川県から来た17歳の男子生徒は調理した田楽をおいしそうにほおばりながら、「いつもは一人で授業を受けているので、他の仲間と集まって授業を受けるのは新鮮」と授業を振り返った。

 同日夜、安中の磯部温泉に宿泊し、最終日には富岡製糸場や群馬サファリパークを見学し、3泊4日の行程を終える。

【写真】レシピについて説明する大塚先生

【写真】調理実習の様子 調味料を計量する生徒たち

【写真】調理実習の様子 

【写真】調理実習の様子

【写真】調理実習の様子 出来上がった田楽に満足そう

 

スクーリングで生まれた新しい友情

【写真】取材に応じる佐藤さん(左)と杉野さん(右)

 

 スクーリングに参加している同校の生徒に話を聞くことができた。

 渋川市から参加した佐藤慈晟さん(19)と三重県から来た杉野裕真さん(19)は今回のスクーリングで知り合った。すでに下の名前で呼び合うほど仲良しだ。

 佐藤さんは昨年9月に通学していた高校を中退し、今年の4月からR高に入学。杉野さんは高3の途中から転入した。

「最初は友達ができるか不安だったけど、みんな気さくに話しかけてくれたり、先生も距離が近いので、すごく楽しく過ごせています」と佐藤さんは話す。

 二人とも同校のネットコースを受講。普段は自宅で配信される動画を見て学習を進め、毎月15日までにレポートを提出している。

 佐藤さんは毎朝6時に起き、午前7時から4時間ほど地元のスーパーでアルバイトをしている。帰宅後、昼食を済ませてから学習をすすめるのが日課。夜は所属するサッカーチームのナイター練習に参加している。

 「生活時間を自分で管理する大変さはありますが、自分に合った予定を決められるところが(同校の)魅力です」と佐藤さんは入学してからの半年を振り返った。

 

角川ドワンゴ学園、9年で急成長 廃校を活用し、地域との共生を重視

 コロナ禍以降、通信制高校に通う生徒は着実に増加し、高校生の約1割にあたる30万人規模に拡大した。角川ドワンゴ学園でも、N高が開校した2016年は1,482人だった生徒数が、25年6月時点でN高、S高、R高3校あわせて32,716人と大きく成長した。

【写真】R高校 奥平博一校長(同校・図書室で)

 躍進の背景を奥平校長は「全日制高校以外の選択肢はないかという潜在的なニーズと、私たちの新しい教育の考え方やシステムがうまくかみ合ったのでは」と分析する。

 「教育は本当に多様であるべきだというのが我々の考え。(N高・S高・R高の3校が)ようやくその1つの選択肢として見てもらえるようになりました」とこの9年の道のりを振り返る。

 3校とも廃校を利活用した運営を行っているが、「学校は学校のまま残して、(運営者が)入れ替わったとしても子どたちの声が続いているということが、地域にとっての1つの安心感になると思うんですね」と奥平校長は話す。

 そんな思いから地域との共生を大切にしているのも同校の特色だ。スクーリングのプログラムに染物体験や八木節などを取り入れているのもその表れと言える。
 「この校舎に思いがある地域の人たちの気持ちを裏切らないということが大事で、(校舎のつくりなど)大きく形を変えていません」と奥平校長。校門前には旧桐生女子高校の校章を刻んだ記念碑も建立した。

 来年にはスクーリングの回数も増え、規模も膨らむ見込みだ。そうなれば、地域でのR高への期待感はさらに高まっていくにちがいない。

(編集部)

 

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編集部より 記事は配信日時点での情報です。

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