不登校の児童・生徒数、12年連続増 過去最多を記録するも増加率に歯止め 群馬県も同様の傾向に 文科省調査
文部科学省は29日、児童生徒の問題行動や不登校の実態を調査した「2024(令和6)年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」を公表した。
調査によると、病気や経済的理由を除き、心理的・社会的な要因などで年間30日以上登校しなかった小中学生(不登校児童生徒)は全国で35万3970人。前年度より7,488人増え、12年連続の増加となった。ただし、増加率は前年の15.9%から2.2%に大きく低下しており、文科省は「不登校対策に一定の成果が見られる」としている。
群馬県内の不登校児童生徒数は4,788人(うち公立小中学校は4,731人)で、過去最多を更新した。一方、前年度からの増加は8人(公立小中のみでは31人増)にとどまり、増加率は0.2%(公立のみ0.7%)と全国と比べても大きく鈍化。21(令和3)年度の31.7%をピークに減少傾向が続いている=グラフ参照=。
県教委では、保護者や子どもの悩みに寄り添うため、昨年4月に一元化した相談窓口「つなぐん」を開設。さらに、3Dメタバースを活用した「つなサポ」による不登校支援も展開している。不登校の増加に歯止めがかかっている背景について、「(県の)支援体制の充実が奏功しているのではないか」と話す教育関係者もいる。
県教委によると、不登校児童生徒に関して学校から寄せられた相談のうち、最も多かったのは「学校生活にやる気が出ないなどの相談」で、小学校667件、中学校1,130件。次いで「不安・抑うつに関する相談」や「生活リズムの乱れに関する相談」が多く寄せられているという。

※データは国立・公立・私立の小中学生を対象にしている(群馬県教育委員会発表の数字は国立・私立が含まれていないため、文科省発表の数値と差異がある)

(文科省のデータをもとに編集部で作成)
(編集部)
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