不登校支援メタバース「つなサポ」利用広がる 登校につながるケースも 9月には利用環境も拡充
群馬県総合教育センター(伊勢崎市)は17日、昨年6月に不登校の子どもたちの居場所づくりを目的に開設された3Dメタバース型の不登校支援センター「つなぐんオンラインサポート」(通称・つなサポ)の今年度の利用状況について発表した。
■新年度の継続利用申請をしなかった7割が「つなサポ」以外の学びの場に
「つなサポ」は年度末を一区切りとしているため、今年3月末時点で登録していた101人の児童生徒は一度退室。そのうち継続利用申請をしなかった42人の約7割が、通学している学校での教室登校や別室登校できるようになったほか、教育支援センターやフリースクールなど、つなサポ以外の学びの場につながったという。
■メタバース内でのイベントを充実 環境整備も進める
今年度は、1学期のスタートにあたる5月末時点で、前年度からの継続者を含む66人が登録。利用者は月ごとに増加し、11月13日時点では98人(小学生45人、中学生50人、高校生3人)が登録している。
メタバース空間での交流会やイベントも充実させ、ぐんま天文台と連携した天体クイズや星空観賞、県立館林美術館の協力で展示作品の鑑賞などが実施された。また、愛媛県が運営する3Dメタバース支援「メタサポ」に登録する児童生徒との交流も図られた。
利用者増加を受け、9月に同時接続可能人数を50人から100人に拡大。メタバース空間内のスペースも広げ、環境整備を進めている。
■学習のつまずき解消が課題 教科書準拠教材の導入も検討
県総合教育センターでは学習状況や活動履歴を在籍校へ報告するなど、学校との連携も密に行っている。最終判断は学校側に委ねられるものの、「つなサポ」での学習を「(在籍校での)出席扱いとするケースも多い」(県教委)という。
登録者98人のうち、断続的ながら通学を再開した児童生徒が10人おり、学校行事に参加できた児童生徒も11人いた。また、学校復帰を理由に退室した児童生徒もいるという。同センターは「在籍校と連携しながら、つなサポを活用した成果の表れ」と説明している。
一方で課題もある。入室時のヒアリングでは39人が「学習のつまずきを解消したい」と回答しており、学習支援のさらなる充実が求められている。現在も「学習サポートルーム(まなびルーム)」でオンライン教材を活用した学習が可能だが、同センターは「来年度から教科書準拠の学習アプリを導入し、再登校した際に学習の遅れやズレが生じないようにしたい」としている。
(編集部)
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