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変わる、公立高校入試 変更点のまとめー県教委に聞く

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変わる、公立高校入試 変更点のまとめー県教委に聞く

高校入試

みんなの学校新聞編集局 
投稿日:2023.07.13 
tags:群馬 公立 入試, 群馬 公立 入試改革, 群馬 公立高校, 群馬県公立入試, 群馬県教育委員会, 群馬県教育委員会 高校入試

 今年度(現・中3が受検)から、群馬県公立高校の入試制度が大幅に変更される。制度の変更点などについて、改めて県教委を取材した。

 

●変更点1 前期・後期入試が一本化される

 前期選抜(2月)と後期選抜(3月上旬)の2回に分けて実施されていた入試が1本化される。試験は1回のみの実施で、選抜方式が「特色型選抜」と「総合型選抜」の2段階の選抜になる。これまでの前期選抜が「特色型選抜」として、後期選抜が「総合型選抜」として引き継がれるイメージだ。

 それぞれの選抜方式で、「学力検査」「調査書」「面接など」の検査項目の評価の割合を、各高校が独自に設定している。学力検査の得点に傾斜を設けている高校もある。

 出願時に受検者自身が「総合型選抜」、「特色型選抜」を選択する必要はなく、全受検者が各高校の設定した選抜方法にしたがって判定される。

 

 たとえば、架空のA高校を例に解説するとこんなイメージだ。

 

 A高校ではまず「総合型選抜」で定員の80%の合格者を選抜し、「特色型選抜」で残り20%の合格者を選抜するという流れだ。それぞれの選抜の順序(「総合型」→「特色型」、「特色型」→「総合型」など)や定員に占める割合は高校によって異なるのも注意が必要だ。

 学校別の詳細については、4月13日に県教委が「令和6年度群馬県公立高等学校入学者選抜における『各高等学校の選抜方法等の概要』について」という文書をホームページ上に公開している。

 

 (文書)令和6年度群馬県公立高等学校入学者選抜における『各高等学校の選抜方法等の概要』について(PDF)

 

●変更点2 検査の日程が早まる

 3月上旬に実施されていた従来の後期入試を基準にすると、入試の時期が早まり、2月下旬の実施となる。2日間の日程で行われる点は変わらない。ただし、学力検査はいままでは2日間に分けて行われていたが、今年度からは1日で5科目の実施になる。検査科目の時間割は国語・数学・英語・社会・理科の順番。2日目は面接試験にあてられる。

 新制度では試験の実施時期が早まるが、これに伴う出題範囲の短縮は検討していない。県教委では「あくまで中学3年生までに学んだ全範囲の出題を予定している」と説明する。

 感染症などに罹患し、当日受けられない受検者に対しては、3月6日(水)に追検査が設けられている。追検査も2月の本検査と同じ条件で実施される。

検査日程

令和6年2月21日(水)・22(木)  

1日目:国・数・英・社・理  2日目:面接

合格発表 令和6年3月5日(火)

 

 

●変更点3 試験時間が一律になる

 従来の後期選抜では、特定の教科で試験時間を60分(標準では50分)で行うなど、試験の実施時間の裁量が各高校に委ねられていたが、今年度からは1科目50分の実施に統一される。

 

●変更点4 全校で面接試験を実施する

 従来の後期選抜では、一部の高校では面接試験が実施されていなかったが、「生徒一人一人の優れたところを積極的に評価する」という改善方針に基づき、今年度からはすべての高校で面接やパーソナル・プレゼンテーションを行う。

 いままでの志願理由書にかえて「インタビューシート」を提出し、このシートに基づいて、面接試験が行われる。

 志願理由書という体裁では、受検者が書ける内容が志望理由などに限られてしまっていたが、「インタビューシート」という形にすることで、受検者が、より積極的に自己PRすることが可能になる。

 「たとえば学校外の活動として、エアロビックをやっていただったり、ボランティアを継続的に行ってきたといったこともアピールできるようになります」と県教委は説明する。インタビューシートの体裁については8月に公表予定とのことである。

 面接試験を全校で実施する意図として、受検者を多面的に評価することにあるが、「どうしてこの学校に入りたいのか」、「この学校で何をしたいのか」という側面をより明確にして、高校選びをしてほしいという狙いもある。

 

(編集部=峯岸 武司)

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