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「卒業式前」で大丈夫なの? 群馬県の公立高の合格発表、来春から 〝入試改革〟で前・後期を一本化

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「卒業式前」で大丈夫なの? 群馬県の公立高の合格発表、来春から 〝入試改革〟で前・後期を一本化

高校入試

みんなの学校新聞編集局 
投稿日:2023.08.21 
tags:公立高校入試, 卒業式, 合格発表, 群馬県

今年の清流中卒業式後に行われたバルーンリリース(3月、群馬県桐生市・清流中校庭で)

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 2024年度入学者選抜から従来の前期・後期入試を一本化し、来年2月に一発勝負の試験を行う県公立高校入試。その合格発表が公立中学校卒業式より早まることについて、関係者から懸念の声が上がっている。これまで後期入試の合格発表は卒業式後で、合否が出る前に式を迎えられたが、来年からは公立高校の合否が出た後の卒業式に。「落ちたら出たくない」と語る生徒もおり、保護者や学校関係者からは「今から対応策を考えておく必要がある」との指摘が出ている。

 

「落ちたら出たくない」「今から対応策検討を」関係者から懸念の声

 

 県公立高校の入試改革で、入試と合格発表、中学校卒業式の時期がどう変わるのか。それぞれの日程を今年と来年で比較してみる。

 

 従来制度で行った今年は、後期入試が3月8、9日で、合格発表は同16日。県内の公立中学校(市立太田中除く)卒業式は同13日で、後期の合格発表の3日前だった。

 

 改革元年の来年は、前期・後期の一本化に伴い入試を2月21、22日に、合格発表を3月5日に前倒し。県内公立の中学校(同)卒業式は同13日で、合格発表の8日後となる。

 

 「『なぜこんな日程にしてしまったのだろう』というのが正直な感想」と憤るのは、桐生市の40代男性保護者だ。

 

 「これまでは後期の合否が出る前の卒業式だったのに、来年からは合否が出た後での卒業式。合否で明暗が分かれるので、実際にどんな雰囲気になるのかが心配」と語る。

 

 同市の30代女性保護者は「仲のいい友達の中で合否が分かれた場合を想像すると、残酷な日程に思えてしまう。気持ちよく卒業式を迎えられなくなるのでは」と懸念する。

 

 一方で「卒業式はともかく、合格発表が前倒しされることで、高校入学までの準備期間に余裕ができるのはありがたい」と、同日程を歓迎するのは同市の50代男性保護者だ。

 

 「上の子どものときに経験したが、合格発表が遅いため高校入学までの準備期間が短くて大変だった。合格発表が早まるのを歓迎する親は少なくないはず」と指摘する。

 

 ただ、「それは大人の都合かもしれない」とも。「合格発表直前の子どもの緊張した表情を思い出すと、もし落ちた後に卒業式があっても出られなかっただろう」と推測する。

 

 同市立中学校3年の女子生徒は「合格発表前の卒業式なら気にせず出られるけど、合格発表後となると別。もし自分が落ちたとしたら、卒業式には出たくない」と語る。

 

 同市の40代女性保護者からは「自分が落ちた場合や、親しい友人が落ちた場合に、卒業式でどう振る舞うか。家庭や学校で改めて考える機会にすべき」との意見も出た。

 

 同市立中学校の男性校長は「個人的な見解」とした上で、「合格発表後の卒業式への懸念はある。落ちた子のケアなども含め、対応策を考えておく必要がある」と語る。

 

 同市教委は「従来のように卒業式を合格発表前に前倒しすることは、授業時間の確保などの課題があり難しい」とした上で、「不合格だった子のフォローなど、学校でできることを今後考えていきたい」としている。

桐生タイムス

 

 

 

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