今こそ「地球温暖化って何?」生徒ら専門家から学ぶ 樹徳高で理系高大連携講座
専門家から最先端の研究について学ぶ理系高大連携講座の環境2023「気候変動 今こそ知っておきたい!地球温暖化って何?」が7日、樹徳高校(野口秀樹校長)で行われた。講師は東京大学先端科学技術研究センター気候変動科学分野の関澤偲温(しおん)さん。参加した1年生12人、2年生8人の計20人は、身近で重要な課題である気候変動について学びを深めた。
この講座は、各分野の最先端の研究に触れ、視野を広げ、今後の進路選択に役立ててもらおうと、2006年度から継続している授業。同校の進学コース、一貫校コース、理科部の希望者を対象に毎年5講座を実施している。今回の講座もその一つで、国立極地研究所との連携のもと、実現した。
関澤さんは、気象変動や異常気象について研究をしていて、高校2年生の時には気象予報士の資格を取得。
授業では、温暖化の仕組みについて学んだ後、グループワークで、他の生徒と意見を出し合う中で、北極や陸地での昇温が大きいことに気付いたり、大気の複雑さ故に天気や温暖化の予測には限界があることを計算式を通じて体験した。
関澤さんは、現在大きな課題になっている猛暑について、「温暖化が原因の100%とは言えない。都市化や予測のできない熱波も要因となっている」などと説明。
最後には、桐生にある気象庁の自動気象観測システム「アメダス」による1970年代から現在までのデータにも触れ、特に夏の平均気温が上がっていることや最高気温30度以上の日数が増加していることなどが挙げられると、生徒はより実感を伴う話題に興味を示していた。
諏訪極(きわみ)さん(2年)は、「気候や温暖化については普段も興味を持っていたので、改めて専門家から話が聞けてよかった。気候は身近なことなので、今後の日常生活や学習にも生かしていきたい」と話した。