現役高専生に聞く 「ボクが高専進学を決めたワケ」
公立高校に進学するか、高専に進学するかで悩んでいる中3生も少なくない。今回、群馬工業高等専門学校(群馬高専・前橋市鳥羽町)機械工学科3年生の安藤風舞くん(高崎・佐野中)から、公立か高専かで決めかねている受験生にアドバイスをもらった。
【写真】インタビューに答える安藤くん(群馬高専で)
――進路を考える際に、公立高校(普通科)にしようか、高専にしようか悩まなかった?
「元々、高専には興味がありましたが、通っていた学習塾で、成績がいい感じに伸びてきた時期に高専より高高や前高の方が将来選択の幅が広がるんじゃないかと言われました。その時、少し悩みました」
――でも、その状況の中で、高専を選んだ決め手は何だったの?
「小3の時、群馬高専の学生さんが先生と一緒に(自分の通う)小学校に出前授業特別講義をしに来てくれたことがありました。冷凍したバナナで釘を打つ授業だったんですが、とても感動して、かっこいいなと思った記憶があります。ずっとそのことが印象に残っていて、高専に行きたいという思いは心のどこかにはあったんだと思います」
――なるほど。
「で、中3の夏休みに高専の体験授業や学校見学会体験入学に参加したとき、設備が整っているのと、実践的な授業内容が多くて、すごく楽しそうな雰囲気に魅力を感じました。それが決め手です。親も自分がずっと(高専に興味があると)言っていたので、高専の良さは理解してくれました。勉強の方法をアドバイスしてくれたり、応援してくれたりしました」
――安藤くんはものづくりとか好きなんだ。
「いえ、工業がすごい大好きっていう感じではないんです。ただ、漠然とした言い方になってしまいますが、ドラえもんみたいにテクノロジーを通じて人々を笑顔にしたいという夢は持っています」
――そうなんですね。専門的なことを学ぶ高専の授業についていけるか心配なかった?
「勉強していくうちに好きになるかなと思いました。あ、でも数学は大好きです」
――数学のどういうところが好き?
「公式をただ覚えるのではなくて、何でそうなっているのか考えるのが好きなんです。そうやって理解してやれば楽しいし、点数にもつながっていきます。特に図形や証明の問題を考えるのが好きなんです。ただ淡々と計算するというより、考えながら自分でルートを決めて解くのが面白いですね」
――世間には数学が苦手な受験生が多いと思いますが、何かアドバイスはありますか?
「心の持ち方の話になってしまいますが、苦手意識を持ちすぎないことが大切です。自分なんかには解けないと決めてかからない方がいいし、そういう風に問題に向き合うとできるようになっていく気がします」
――実際に入学してみて勉強にはついていけましたか?
「勉強面は先生方がすごく原理から教えてくれて、自分がやりたい勉強の仕方だったので楽しかったです。高専は職員室がなくて、先生ごとの部屋になっているのですごく質問しやすいし、分かるまで教えてもらえる環境です。先輩や友達同士で勉強を教え合ったりもします。だから、ついていけないということはなかったですね」
――勉強面以外はどうでした?
「高専生はいろいろな地域から来ているので、入学直後は友達もいなくて不安でした。自分はダンス同好会という部活に入ったのですが、そこで同級生の友達や先輩に出会えて仲良くなりました。良い意味で部活動が厳しくないので、ちらっと友達のいる部活に顔出せたりできる雰囲気も気に入っています」
――随分、自由な髪型だけど、夏休み中だから?
「いえ、制服もないですし、髪型も基本自由です」
――高専か公立高校かで悩んでいる受験生にメッセージを
「少しでも高専が気になっているという人は体験授業や授業見学会に参加してみて下さい。実際に触れることでいろいろ見えてくると思います。専門的な知識や技術が身につくので、高専はおすすめです」
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(編集部)