地元文具専門店「ハイノート」店員がオススメする新学期文具特集【2】
進級・進学にそなえて、しっかりそろえておきたい文房具。今回、編集部では、文具専門店「ハイノート」を展開するアサヒ商会の店舗事業部・高橋圭子さんにそれぞれのシーンでおすすめの文房具を紹介していただいた。2回目にあたる今回は、中高生におすすめの文具を特集する。
■「折れないシャーシン戦争」が過熱
「中高生はこの春先、文具を一新する子も少なくないですね。中でも、シャープペンが非常に人気を集めています。これは男女問わずあてはまりますね」と高橋さんは話す。
「それぞれ個性はありますが、今注目は『芯が折れないタイプ』です」と説明しながら、高橋さんはオフィスの机の上に、ずらっとシャープペンを並べた。
「折れない芯戦争」ブームの火付け役ともなったのが、ぺんてるの「オレンズ」(600円+税)。その後、各社が同様のコンセプトの商品をこぞって開発。メーカーにより多少の違いはあるが、共通するのは芯の出る部分にガードが付いていて、芯が折れない工夫が凝らされている点だ。
ゼブラの「デルガード」(450円+税)、プラチナの「オレーヌ」(450円+税)も同様の商品だ。
「文具系の雑誌でどれが一番芯が折れにくいかという特集が組まれていて、その雑誌の調査では『デルガード』が一番ということになっていました」
シャープペンに新しい機能を付加した商品といえば、パイロットの「ドクターグリップ」シリーズ(600円+税)も根強い人気。「フレフレ機構」が装備されていて、シャープペンを振るだけで、芯が出てくる使いやすさが支持された。
そして、このパイロットが、フレフレ機構に芯が折れない機能を組み合わせてリリースしたのが「モーグルエアー」(500円+税)だ。
モーグルエアーはハイノートのチラシ広告にも「折れないシャープペン戦争についに真打パイロットが登場」と紹介され、「大人気のため商品が欠品する可能性があります」と注意書きが書かれている。これだけみても、人気のほどがうかがえる。
画期的なアイデアでヒット商品になったUniの「クルトガ」シリーズもいまや定番になっている。ネーミングの通り、芯先のとがりを維持したまま書ける点が魅力だ。芯折れ防止を強化した「クルトガアドバンス」もある。
ゼブラの「テクトツーウェイ」【下】は1本1000円+税と高めだが、軸を振るだけで芯が手軽さと、書きやすい重量感が受けて人気を集めている。
ちょっと変わり種では、プラチナのプレスマンシリーズ(200円+税)。こちらは1978年に発売されたロングセラー。速記用のシャープペンで、芯が太いのが特徴だ。
「特に男子にシャープペンは人気で一人で4~5本買う子もいます。芯の濃さはBや2Bあたりが人気です。太さは0.5がよく出ています」(高橋さん)
■個性ある機能は使うワクワク感をあげてくれる
女子にはペンも根強い人気だ。ノートをカラフルにできるだけではなく、いろいろな色を集める楽しみ方もある。その中で、高橋さんの一押しはエポックケミカルの「カラーバーレル」(1本90円+税)だ。カラーペンや蛍光ペンをつなげてお気に入りの一本がつくれるユニークなペンだ。「3本つなげると筆箱にぴったりのサイズになります」。
筆箱はコクヨが「ネオクリッツ」シリーズ(1300円+税)をリリースし、立てて使えるタイプのブームに火が付いた。このタイプで、女の子にすすめたいのが、Lihit Lab.の「Puni Laboスタンドペンケース」(1400円+税)。かわいらしい動物キャラクターの底は伸縮できるようになっていて、底を押し込めば、ペンスタンドとしても使える。
「定規できれいに紙が切れる」ということで人気を集めたのが、クツワ「折りたたみアルミ定規」(700円+税)。アルミ定規の折りたたみタイプというのもユーザーの心をつかんだ。紙がスパッときれる爽快感はたまらない。
あると便利なのがのりだ。仮止めや付箋がつくれるというので人気なのが「PiT Tack-C」(トンボ)だ。「貼ってはがせるというのがこの商品の魅力ですね」と高橋さん。
のりといえばプリントが配布される機会の多い中高生にはこちらもおすすめ。その名も「プリントがきれいにはれるのり」。ストレートなネーミングに開発者の思いがこもる。糊メーカーの老舗・不易糊の商品だ。
「文具は選ぶ楽しみもあります」。新しい文具を手にすると勉強もはかどりそうな予感がする。春休み、新学期の準備も兼ねて、ぜひ近くの文房具店に足を運んでみてはどうだろうか。(編集部=峯岸武司)