多胡碑がいま大変なことになっていますー上野三碑講演会のお知らせ
♪兎追いしかの山
♪小鮒つりしかの川
♪小鮒つりしかの川
童謡「ふるさと」のあまりにも有名な一節です。
記者は子どもの頃、この歌詞の意味が分からず、「うさぎのおいしい山」があると本気で信じていました。中学生か高校生くらいになったとき、「追いし」や「かの山」の意味が分かり、膝を叩いたものです。
記者は子どもの頃、この歌詞の意味が分からず、「うさぎのおいしい山」があると本気で信じていました。中学生か高校生くらいになったとき、「追いし」や「かの山」の意味が分かり、膝を叩いたものです。
暗唱の力は馬鹿にできません。意味が分からないまま覚えることに意味がないと一蹴する向きもありますが、ある時、突然、点と点がつながり、学びの感動に転化することもあります。これが暗唱の魔力の一つでしょう。
そして、「上毛かるた」もその一つではないでしょうか。
よく分からないで覚えた一節、一節が大きくなるにつれて意味が分かるようになり、郷土への愛着や理解につながっていく。「上毛かるた」があるがゆえに、群馬県民としてのアイデンティティが形成されるといっても過言ではありません。
まあ、このあたりの愛郷心の強さが「グンマー」といじられてしまう一因なのかもしれませんが…。
そして、「上毛かるた」もその一つではないでしょうか。
よく分からないで覚えた一節、一節が大きくなるにつれて意味が分かるようになり、郷土への愛着や理解につながっていく。「上毛かるた」があるがゆえに、群馬県民としてのアイデンティティが形成されるといっても過言ではありません。
まあ、このあたりの愛郷心の強さが「グンマー」といじられてしまう一因なのかもしれませんが…。
そのカルタの中で、いまだによく理解できない札もいくつかあります。自分にとって、その一枚が「昔を語る多胡の古碑」です。実はこれ平成28年度の群馬県公立高校の問題にもネタとして使われているんですよね。
そこでちょっと調べてみました。
多胡碑は、奈良時代初期の711年に当時の群馬県では14番目の郡の多胡郡が誕生したことを記す記念碑で、日本三古碑の一つだそうです。当時の三つの郡から三百戸を分割し、新しく多胡郡を設けたことが記されています。その優れた書体は 今も多くの書家達に愛好されているんだそうです。
1300年以上も前に書かれた碑文であっても、漢字は今でも通用するものも多々あり、会うことのできない古(いにしえ)の人々が同じ文字を共有していたことに思いをはせるだけでもドラマチックですよね。
この「多胡碑」の他に群馬には歴史的に貴重な碑文がいくつかあって、「山上碑」(681年)、「金井沢碑」(726年)の3つをまとめて「上野三碑」というんだそうです。そして、この「上野三碑」が、いま実は大変なことになっているんです。
多胡碑は、奈良時代初期の711年に当時の群馬県では14番目の郡の多胡郡が誕生したことを記す記念碑で、日本三古碑の一つだそうです。当時の三つの郡から三百戸を分割し、新しく多胡郡を設けたことが記されています。その優れた書体は 今も多くの書家達に愛好されているんだそうです。
1300年以上も前に書かれた碑文であっても、漢字は今でも通用するものも多々あり、会うことのできない古(いにしえ)の人々が同じ文字を共有していたことに思いをはせるだけでもドラマチックですよね。
この「多胡碑」の他に群馬には歴史的に貴重な碑文がいくつかあって、「山上碑」(681年)、「金井沢碑」(726年)の3つをまとめて「上野三碑」というんだそうです。そして、この「上野三碑」が、いま実は大変なことになっているんです。
何が大変かって? 実はこの三碑、「世界の記憶」(Memory of the World)の登録を目指しているのです。
【写真】上野三碑(左から山上碑・多胡碑・金井沢碑)
「世界の記憶」(以前は世界記憶遺産とも言っていた)って聞きなれない人も、世界遺産の仲間だと聞けば、その凄さが実感できるはずです。「世界の記憶」も世界遺産と並ぶユネスコの事業の一つで、「人類史にとってかけがえのない銘文や直筆の文書・書籍・ポスター・絵画・地図・音楽・映画などを人類共有の記憶つまり遺産として守っていきましょうという事業」(熊倉浩靖「増補版 上野三碑を読む」より)です。
審査は2年に1回、各国2件までの狭き門です。2017年の審査に向けての国内公募・選考には16件の案件が手をあげ、「上野三碑」はその難関を通過し、日本が申請する「世界の記憶」候補になったということだそうです。
地元群馬の「碑」が世界共有の遺産として登録されるかもしれない。これは、すごいことじゃないですか!
2017年、群馬にとってそんな大事なイベントがあったなんて知りませんでした。
盛り上げましょう、県民で!
力合わせる、190万!(笑)
非常に前置きの長い記事になってしまいましたが、そんなことになっている「上野三碑」のことがよく分からない。碑のことをもっと知りたいという人向けに、とっても素敵な講演会があるんです。その名も「上野三碑講演会」。
「上野三碑」の価値と魅力を、専門家の方々が分かりやすく解説してくれるそうです。歴史好きの方も、群馬を盛り上げたい人もぜひ参加してみてください。
ちなみに、以前取材でお世話になった群馬学センターの熊倉先生も登壇します。熊倉先生の最新刊(5月25日)「増補版 上野三碑を読む」(雄山閣)を読んで予習すれば、講演会の内容もばっちり理解できるはずです!
ちなみに、以前取材でお世話になった群馬学センターの熊倉先生も登壇します。熊倉先生の最新刊(5月25日)「増補版 上野三碑を読む」(雄山閣)を読んで予習すれば、講演会の内容もばっちり理解できるはずです!
(参考)男女別学は先進的ー群馬学センター・熊倉教授に聞く(本紙記事)
【写真】熊倉先生の最新刊「増補版 上野三碑を読む」(雄山閣)
※クリックすると雄山閣のオンランストアに遷移します。アフィリエイトではありません。
今回は前橋・太田の2会場での開催ですが、8月には高崎での講演、9月以降には県内各地域で同様の講演会を行う予定だということです。
「上野三碑講演会」
〈講師・講演テーマ〉
•前澤和之氏(上野三碑世界記憶遺産登録推進協議会委員)…「記憶遺産としての上野三碑」
•熊倉浩靖氏(群馬県立女子大学教授、群馬学センター副センター長)…「上野三碑を読み解く」
•松田猛氏(上野三碑世界記憶遺産登録推進協議会調査研究部会員)…「上野三碑と多胡の地域」
•前澤和之氏(上野三碑世界記憶遺産登録推進協議会委員)…「記憶遺産としての上野三碑」
•熊倉浩靖氏(群馬県立女子大学教授、群馬学センター副センター長)…「上野三碑を読み解く」
•松田猛氏(上野三碑世界記憶遺産登録推進協議会調査研究部会員)…「上野三碑と多胡の地域」
〈日程・会場〉
●6月18日(日)13:00~16:00
●6月18日(日)13:00~16:00
群馬県庁2階 ビジターセンター(前橋市大手町1-1-1)
●7月30日(日)13:00~16:00
太田市美術館・図書館 視聴覚ホール(※)(太田市東本町16-30)
※太田会場の駐車場は駐車台数が限られているため、なるべく公共交通機関をご利用ください。お車でお越しの場合は、近隣の民間駐車場または太田市役所駐車場をご利用いただくようお願い申し上げます。なお、市役所駐車場のご利用の方は、3時間まで無料となりますので、駐車券を会場までお持ちのうえ、係員までお申し出ください。
太田市美術館・図書館 視聴覚ホール(※)(太田市東本町16-30)
※太田会場の駐車場は駐車台数が限られているため、なるべく公共交通機関をご利用ください。お車でお越しの場合は、近隣の民間駐車場または太田市役所駐車場をご利用いただくようお願い申し上げます。なお、市役所駐車場のご利用の方は、3時間まで無料となりますので、駐車券を会場までお持ちのうえ、係員までお申し出ください。
〈申し込み・定員など〉
入場無料。申し込みは不要で先着順(各回定員120名)。
(編集部=峯岸武司)
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