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高崎高校、復調への序章~疾走する名門校のいま

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高崎高校、復調への序章~疾走する名門校のいま

高校入試

みんなの学校新聞編集局 
投稿日:2016.10.13 

高崎高校の校章

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「東大の現役合格が8名。現役浪人あわせて13名が合格しました。2ケタの合格者を出すのは2年ぶりです」
 10月13日、高崎高校で行われた塾講師向けの学校説明会で進路指導部の教諭は誇らしげに今年の進路状況の報告を切り出した。
  前橋高校に比べて、後塵を拝していた医学部医学科の合格者数も現役浪人合わせて17名を輩出したという。
 
 この塾講師対象の学校説明会がスタートしたのは平成25年。きっかけは平成24年のいわゆる「高高ショック」への危機感からだった。東大合格者が現役浪人合わせて3名という数字はそれまで10年の中で過去最低の数字。この当時の高崎高校の教員は焦りと危機感を募らせていた。塾向けの説明会でもその空気が伝わってきた。
 出席した高崎高校のOBである塾の先生からも、厳しい質問が飛び出し、会場はいくぶん緊迫した雰囲気に覆われていた。

 あれから4年。この間、高崎高校はさまざまな教務改革に着手してきた。
「医学部医学科の推薦入試受験者に対応して、週1回、座談会形式で過去問研究を行っています。主に英語科の教員と理科の教員が指導にあたり、場合によっては卒業生にも参加してもらい受験に向けての心構えも話してもらっています」とは進路指導部・副主任の先生の話。
 それ以外にも成績不振者への教科担任からの個別サポートや朝7時30分から随時行われるクラス担任との二者面談、主に国立2次対策としての添削指導など、きめ細かいこうした改革が実を結んだのは間違いなさそうだ。

 今年からは新たな試みとして、「10時間マラソン学習会」を6月と10月に実施。10時間の学習を体験してもらうことで、家庭学習の充実を促す目的と、部活を引退した生徒がスムーズに受験勉強にシフトできるような環境も整えた。
「夏休みの家庭学習に確実に成果が出ていました」(進路指導部)
 加えて、来年度からは文科省のSSHに再度指定され、1年次には全員SSHの授業を施し、探求・課題解決型の21世紀型の指導を行っていく計画だ。
 
 「中央中等の1期生が卒業した平成22年から東大合格者数が減少したが、ここ数年は復調傾向にある」とは教務主任の伊藤先生の話。今年のセンター試験の平均点はSSクラスに限っていえば、「灘・開成と肩をならべる」レベルだったそうだ。
 
「高高ショック」以来、高崎高校は「翠巒プロジェクト」という教育プログラムを構築し、詰込みでない思考力・問題解決能力を引き出す指導に注力してきた。そして、それ以外にも、教員が一丸となって様々な教務改革に着手してきた。こうした取り組みが、今、着実に成果をあげつつあるといえる。大学実績の復調がこのことを物語る。
 今後の大学入試改革をにらんで、カリキュラムもさらに進化をさせていくという。県内屈指の名門校の復権をかけて、その改革はさらにつづく。(編集部=峯岸武司)

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