「助産師から学ぶココロとカラダの研修会」参加者受付中ー10日(桐生)
「コロナで休校になった自粛期間、10代女学生の妊娠相談が激増! その根本原因は」という記事が2020年8月、PRESIDENT ONLINEに配信された。
記事によれば、新型コロナウイルスの影響で各地で学校が休校になった期間、「自身が妊娠しているのではないか」という10代からの相談が増えたという。
若者の性の問題に取り組むNPO法人ピルコンに寄せられた「妊娠・避妊に関する10代からの相談件数」は、3月には40件、4月には40件、5月には30件、6月には31件と、2月以前の約2倍に増加した(同記事)。
ある保護者の話では「群馬県内のある公立高校などでは望まない妊娠で中退していく生徒が毎年1人、2人いるそうです」と驚きの報告もある。
性に関しては家庭や教育現場でもタブー視されがちだ。それゆえ、知識を持たない10代が望まない妊娠をしたり、性感染症に罹患したりするケースも少なくない。インターネットには性に関する情報が氾濫しているが、その情報が正しいものなのか、誤ったものなのかは、10代の子どもたちにはなかなか判断が難しい。医学的な根拠にもとづく性に関して正しい情報や知識を持つことは自分のカラダを守るためにも必要だ。
こんな中、NPO法人きびるで代表理事をつとめる助産師であり看護師でもある野口和恵さんによる「助産師から学ぶ わたしたちのココロとカラダの研修会」(10月10日(月)の午後7時30分~8時30分)がコワーキングスペース「ココトモ」(桐生市)で開催される。大学生・高校生・中学生に向けて、自分を大切にするためのカラダの仕組みやケアについて講演する。NPO法人きびるは、群馬県内で女性と女性にまつわる諸問題に取り組んでいる。
■講師プロフィル
野口 和恵(看護師・助産師)
1978年生まれ。福岡県出身。女の子2人の母。助産師、看護師として大学病院や総合病院勤務ののち、2016年 訪問看護ステーション設立。小児訪問看護に力を入れる。2020年には児童発達、放課後等デイサービス、生活介護などの多機能型通所施設を設立。障害や医療的ケアが必要な子供たちの支援に取り組む。このような活動をする中で、多胎や若年・高齢出産、貧困やDV、ネグレクトや虐待など妊娠出産、育児を取り巻く様々な問題や課題に直面。2021年 NPO法人きびるを設立する。
講師を務める野口さんは看護師1年目に父親を亡くして以来、「生と死についていろいろ考えもがき苦しんだ」(きびるホームページより)そうだ。看護師として4年、大学病院のICU(集中治療室)で勤務する中、「生きる=誕生」の現場に行けば、自身の胸のつかえが晴れるのではないかと助産師を志した。ところが、助産師として最初に見たのが死産だった。
「片手に乗るくらいの小さな小さな赤ちゃんで、肩で大きく2回呼吸してそのまま亡くなりました」(同ホームページ)と野口さんは当時のことを書き記している。そして、このことが自身の看護観・死生観に多大な影響を与えたという。
野口さんは「生きることは、よりよく生き抜くことだ」と考えている。一方で、貧困や社会的孤立、コロナ禍などの社会構造の変化で、妊娠・出産・子育てをめぐる「いのちの現場」の不安は増すばかりだ。こうした不安を少しでも払拭し、安心して子育てできる環境づくりの手伝いをする目的でNPO法人きびるは設立された。
NPO法人きびるの活動について
NPO法人きびるは、女性と女性にまつわる諸問題に取り組みます。
(NPO法人きびるのホームページより)
「研修会はNPO法人きびるさんからキッズバレイに持ち込まれました。当日、ココトモでは中高生対象の第三の居場所『夜ココ』もオープンしており、時間的にもブッキングしているので、『夜ココ』に参加した子どもたちにも是非参加してほしいと思っています。ポスターは女の子向けのイメージですが、男の子の参加も大歓迎です。保護者や教育関係の方もご参加いただけます」と「夜ココ」を主催するキッズバレイの丹羽さんは話す。
研修会ではHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンについても触れられる予定。
HPVワクチンの定期接種は現在、小6から高1相当の女子を対象に計3回の接種が行われている。13年に開始以降、全身の痛みなどの副反応が相次ぎ、厚労省は自治体からの接種の積極的な呼びかけを中断していたが、今年4月から勧奨を再開している。
「女の子を持つ保護者にとっては非常に関心のある話題です。ワクチンについては賛否ありますが、医学的なエビデンスに基づいた中立的な立場からお話が聞けそうです」(キッズバレイの丹羽さん)。
申し込みはこちらのフォームからも可能(当日の申し込みも可)。
(編集部=峯岸武司)