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「報われない努力」に絶望している君へ 未来は、思わぬ場所で拓けていく

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「報われない努力」に絶望している君へ 未来は、思わぬ場所で拓けていく

オピニオン

みんなの学校新聞編集局 
投稿日:2026.03.07 
tags:人間万事塞翁が馬, 受験 結果

 昨日配信した拙文「『笑顔満開』の見出しに物申す 新聞がみつめなくてはならないこと」にいくばくかの反響があり、「よく書いてくれた」「その思いはどこから来るのか」というコメントを頂戴しました。毎年、発表が終わると自分の気持ちは合格を手にできなかった子に向いてしまいます。

 塾を経営していた頃、毎年、私は第一志望に届かなかった教え子たちへ手紙を書いてきました。そこには、私が人生で経験した、ある「みっともなくて、けれど大切な挫折」の記憶を綴っています。

 入試が終わり、心が沈み込み、前を向けない子もきっといるはずです。その子に少しでも思いを伝えたい。そう思い筆を執ることを決意しました。 

 

憧れと、あっさり諦めた22歳の自分

 中学生の頃から、私の夢は「新聞記者」になることでした。そのために進学校に入り、大学でも必死に勉強してきました。しかし、いざ就職活動の年。受けた新聞社は全滅。当時の私は「もう一年やるのは面倒だ」という安易な理由で、内定をもらった大手企業への就職を決め、夢をあっさり手放してしまったのです。

 転機は、社会人1年目の夏。同じ夢を追い、留年してまで挑戦を続けていた最も仲の良かった親友が、NHKから内定をもらったことに端を発します。心から祝福したい。でも、一方で激しい嫉妬に狂う自分がいました。目標から逃げ、自分を直視できなかった自分が情けなくて、当時、自己嫌悪で震えました。

 

「死にものぐるい」のあとに来た、真っ白な世界

 今思えば、若気の至りではありますが、私はマスコミ就職への未練を断ち切れず、半年で会社を辞めました。そして、退路を断ち、死にものぐるいで勉強し直して、翌年、再び新聞社の試験に挑みました。結果、大手二紙とNHKの最終試験まで残りましたが……最後に突きつけられたのは、やはり「NO」という非情な現実でした。

 最後の不採用通知を受け取った瞬間、頭の中は真っ白になり、足元から意識が遠のいていく感覚を今でも鮮明に覚えています。ショックで40度の熱を出し、寝込んだほどです。「こんなに頑張ったのに、なぜ報われないんだ」。社会に拒絶されたような気がして、しばらくふさぎ込む日々が続きました。

 

25年越しの「伏線回収」

 もぬけの殻のようになった自分に、当時アルバイトをしていた学習塾の社長から「うちで働かないか」と声を掛けられました。教育の世界には全く関心がありませんでしたが、再度の就職活動に立ち向かう気力もなく、誘われるままに塾の扉をたたいたのです。最初は「腰掛け」のつもりでしたが、気づけば30年近く、子どもたちの未来を切り開くお手伝いに没頭していました。かつて夢を叶えられなかった私だからこそ、伝えられることがある。そう信じて走り続けてきました。自分の根底には子どもたちには自分と同じような失敗をしてほしくないという思いがずっとあったように思います。

 2年前、私は17年間自分で立ち上げ経営してきた塾を閉めました。そして現在、「みんなの学校新聞」の編集長を務めています。みんなの学校新聞は塾を運営しながら自分で立ち上げたサイトが始まりでしたが、塾閉鎖後、桐生タイムスの社長からご縁をいただき現在に至ります。

 あの日、ボロボロになって諦めた「記者」という夢。人生とは不思議なもので、形は違えど、四半世紀の時を経て、私は今こうして皆さんに言葉を届ける仕事に就いています。あの時の挫折がなければ、塾講師としての充実した日々も、今こうしてペンを握っている自分も存在しません。

 

人生は「スタートライン」の連続だ

 人生はまさに「人間万事塞翁が馬」です。その時「最悪だ」と思った出来事が、実は明るい未来の始まりであることは、本当にあるのです。

 受験の結果は、あなたの人生を評価するものではありません。それはあくまで一つの「スタートライン」に過ぎないのです。 大切なのは、どんなに辛い状況でも、前を向き、胸を張って歩き続けること。そうすれば、いつか必ず「あの時の経験があったから、今の幸せがある」と言える瞬間に巡り会えます。

 今回の入試で辛い思いをした皆さんに伝えたいこと。

 しばらくしたらでいい。ゆっくりでいい。 自分の未来を信じて、また一歩、踏み出してほしいということです。そう切に願っています。きっと拓ける道があります。

「みんなの学校新聞」編集長 峯岸 武司

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編集部より 記事は配信日時点での情報です。

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