生徒主体の開校記念式典ー高崎女子高校 6日
県立高崎女子高校(丸橋覚校長)の開校125周年記念行事が6日、同校体育館で行われた。
同校は昨年から自ら考え、判断し、行動できる生徒の育成を図るモデル実践校として県教委から「SAH(スチューデント・エージェンシー・ハイスクール)」の指定を受けているが、SAH指定以前にも伝統的に「生徒自治」を重んじる校風が根ざしている。そんな背景もあり、記念式典後におこなわれる行事についても、「大人が考えつかないような新しいことをやってほしい」と校長は期待を寄せていた。実際、今回の式典は生徒主体で開催されることになった。
式辞や祝辞などの式典を済ませた後は、生徒手作りの「高女クイズ」。実行委員の生徒による司会進行で全校生徒約800名が高女にまつわる様々な問題にチャレンジした。正解が発表されると歓声や拍手が沸き起こり、盛り上がりをみせた。
クイズは毎週月曜日の放課後、実行委員の生徒が集まり、「高女90年史」、「100年史」を丹念に読み込み、面白そうな話題を見つけながら作問した。作問の材料集めでは教員にアンケートをとるなど手間をかけた。
指導教員の中村理恵先生によると、問題作りはギリギリまで行われたそうだ。「昨日も昭和39年から49年まで行われたST歌合戦という行事を見つけた生徒がいました。STって何だろうと疑問に思い、同窓会の方に質問をしたら、スチューデント(S)、ティーチャー(T)の略だということが分かったんです。これがクイズに反映されていたらすごいですよね」と中村先生。
実際、「ST歌合戦」は当日の問題に収められていた。
【写真】全校生徒約800人が一堂に会してのクイズ大会は壮観
【写真】選択問題に挙手する生徒たち
【写真】「高女クイズ」の様子
【写真】全校生徒を前に司会進行する実行委員2人
クイズの後はOGによる講演会。開校記念式典の講演会に社会で活躍する卒業生が登壇するのはよくあることだが、同校はこの講演会も生徒主体で企画された。
登壇した大澤直美さんは同校のOGで、現在ニューヨークに在住し、国際教育、人材育成のコンサルティング会社を経営している。
昨年11月の高女グローバル研修に参加した生徒会長の佐藤花さん(同校3年生)は、この研修を通じて大澤直美さんと知り合った。大澤さんの話に感銘を受けた佐藤さんは「研修に参加した40人以外のもっと多くの高女生に知ってもらいたい」と大澤さんの講演会企画を思い立った。
帰国後の12月、佐藤さんを中心に有志10名ほどの生徒が集まり、生徒実行委員会が立ち上がった。メンバーが協力しながら、大澤さんの講演会実現に向けての交渉が始まった。
迎えた当日、登壇した大澤さんは「今を120%生き、未来を切り拓いていくためのヒント」というテーマで自身の経験を交えながら後輩たちにエールを送った。高校卒業後、単身渡米し、アメリカの大学に進学しようと思ったいきさつなど、自分で考えて行動していくことの大切さを訴えた。
企画した佐藤さんは「今回は生徒が主体で企画です。高女生であればだれでもこういうことができることを知ってほしい。より多くの生徒に一歩踏み出してもらえるきっかけになればと思っています」と語った。
【写真】大澤さんの講演会の様子
(編集部)