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【学科研究】定時制高校ってどんな学校?◆前橋清陵高校を事例に

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【学科研究】定時制高校ってどんな学校?◆前橋清陵高校を事例に

高校入試

みんなの学校新聞編集局 
投稿日:2024.06.13 
tags:前橋清陵 定時制, 前橋清陵高校, 学科研究シリーズ, 群馬 フレックス高校, 群馬 定時制 高校

 高校にはさまざまな学科が存在します。「学科研究シリーズ」はタブロイド判「みんなの学校新聞」(24年7月上旬発行予定)と連動して、さまざまな学びのスタイルを解説していきます。今回は定時制高校について、県立前橋清陵高校の坪内陽祐先生(昼間部担当)と荒木昌先生(夜間部担当)にお話を伺いました。

 

定時制・通信制のスクールミッション(公立高校)

◆定時制・通信制課程には、それぞれの学科のミッションに加え、以下のミッションがあります。

◆生徒一人一人の生活スタイルや多様な学びのニーズに対応した教育活動により、自分の才能を発揮できるようになるとともに、現在及び将来の自己実現ができる高校

☆印はフレックス枠の高校

【定時制課程】

 生徒一人一人の生活スタイルや多様な学びのニーズに 対応した教育活動により、自分の才能を発揮できるようになるとともに、現在及び将来の自己実現ができる高校です。

 前橋清陵高校の場合、定時制は昼間部と夜間部があります。定時制はもともと働く社会人の学びを保障するために生まれた歴史があります。入学の仕方は中学校卒業からの「新入学」、高校中退等の事情で学びが中途になっている人のための「編入学」、他の高校等からの転校にあたる「転入学」の3つがあります。基本的に今は「新入学」による入学者が多くなっています。「編入学」の場合は、前に在籍していた高校等で取得した単位を引き継ぐことが可能です。

 入試は全日制と同じ日程で行われますが、フレックス枠なので現在まで英・数・国の3科目に加えて面接試験が課せられています。本校の場合、昼間部と夜間部は併願できません。

 8月の秋入学選抜もありますが、2月の春入学選抜がメインです。

 

【昼間部】

 本校は単位制高校であり、昼間部と夜間部のカリキュラムは少し違います。74単位が卒業に必要な修得単位で、授業の取り方次第で最短で3年で卒業できます。年度進級による学年制の学校だと、規定の単位数を修得していないと進級できませんが、本校は在籍年数が学年次となるので、原級留置などの心配なく、自分のペースで学びを進めることが可能です。新入学定員は80名ですが、ホームルームは3クラス編成で担任の先生がいます。ショートホームルームや履修に関する相談、進路についての面談等のサポートもしっかり受けることができます。

 時間割は自分で組みます。ただ全部がフリーというわけではなくて、卒業要件を満たす時間割を作る必要があります。卒業要件は、各教科の必履修科目を修得した上で、合計74単位以上修得することです。1年目、2年目でしっかり単位をとっていると、3年目は時間割に幾分余裕が生まれます。

 部活動は放課後行われています。部によっては夜間部生徒と合同で活動しているものもあります。

 

【夜間部】

 10年前くらいは編入学が多く、生徒の年齢差が大きかったのですが、最近は中3卒業後の入学がほとんどです。過年度の生徒もいますが、少数です。

 気を付けてほしいのは、昼間部から夜間部にスライド編入学することはできない点です。昼間部に通うのが難しくなって、夜間部に移動することはできません。「編入学」の扱いになるので、一旦退学して入り直さなければなりません。

 入学する生徒は不登校であまり学校に行っていない生徒、中学で別室登校をしていた生徒や適応指導教室に行っていた生徒が多いようです。  

 昼間部は6時限までありますが、夜間部は4時限です。在校時間は短いですが、通信制とタイアップして、0時限という時間を水曜日に設けており、1単位余分に取れるため、3年で卒業することも可能です。昼間にパートやアルバイトをしながら通っている生徒が多いのも特色かもしれません。昼間部と同様に、ホームルームがあり、1学年3クラス編成です。

 1年次は必履修科目がほとんどで、ほぼ選択できませんが、2年次になると選択の幅が広がります。7割くらいの生徒は3年で卒業しています。

 夜に学校に通わせるということに抵抗のある保護者の方もいらっしゃいますが、朝起きるのが不得手だったり、時間管理が苦手だったりする生徒は夜間部の方が通学しやすいかもしれません。

 

※ 定時制高校・通信制高校は「学年制」ではないため、入学時の人数と卒業時の人数は一致しません。そのため、割合ではなく実数で表記しています。

 

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