渋川・吾妻地区の高校再編へ始動 「検討会」初会合、WG設置も決定 少子化背景に「選ばれる学校」模索 若者の意見反映も明記 3月30
群馬県教育委員会(平田郁美教育長)は3月30日、渋川・北群馬・吾妻地区の県立高校の将来像を議論する「第1回県立高校の在り方に関する検討会」を中之条合同庁舎で開催した。
この検討会は、同日付で施行された設置要綱および「第2期高校教育改革推進計画」に基づき設置されたもので、地元の首長や教育関係者、産業界の代表ら幅広い分野の委員が集まり、地域の教育基盤を維持するための本格的な議論がスタートした。
※地区内公立7校の内訳
【渋川地区】
渋川高校 渋川女子高校 渋川青翠高校 渋川工業高校
【吾妻地区】
吾妻中央高校 長野原高校 嬬恋高校
■子どもや保護者の意見も吸い上げてほしい
要綱では検討会の任務を、地区の将来を見据えた県立高校の在り方を検討し、県教育委員会に対して意見や提案を行うことと定めている。また、意見聴取にあたっては子どもや若者の視点を取り入れるよう努めることが明記されている。実際の会合でも委員から「大人の議論だけでなく、現役生徒や保護者の生の声をアンケートなどで吸い上げ、検討の参考にすべきだ」との具体的な提案がなされた。事務局側もこれに応じ、何らかの形で生徒らの意見を報告する意向を示した。
■広域地区ならではの通学困難と「教育移住」

(群馬県教育委員会作成の資料から)
意見交換の場では、他地区に比べて広域な同地区特有の課題が次々と浮き彫りになった。特に深刻な問題として指摘されたのが、遠距離通学による負担だ。「山沿いの地域では朝5時台に家を出なければならない生徒がいる」といった実情や、通学費の重い負担が語られたほか、高校進学を機に家族ごと県央部などへ転居してしまう「教育移住」の実態も報告され、地域の過疎化に拍車をかける現状への強い危機感が共有された。


(群馬県教育委員会作成の資料から)
■多様なニーズにこたえ「選ばれる学校」づくりを
また、学校の規模と役割についても活発な議論が展開された。大学進学を見据えて一定の学級数を確保し、多様な選択科目を設置すべきという意見がある一方で、小規模校が中学時代につまずきがあった生徒が自信を取り戻す貴重な場になっているという指摘もあり、「一律の統廃合ではなくキャンパス制の導入といった柔軟な形態を模索してほしい」という声も上がった。
私立高校の無償化の影響や通信制高校の台頭についても触れられた。出席した委員からは「新前橋駅や高崎駅周辺の広域通信制高校のサポート校を選ぶ生徒も増えており、(中学生や保護者の)進学に関する意識の変化を感じる」という報告もあった。
公立高校が「選ばれる学校」となるための魅力作りが急務であるとの認識で一致した。
■ワーキンググループ設置、具体策を加速
今後は、渋川市内の4高校(渋川、渋川女子、渋川工業、渋川青翠)の伝統や特色をいかに次世代へつなげていくかが大きな焦点となる。
委員からは、スピード感を持った再編の検討を求める意見が相次いだ。これを受け、検討会の下に実務組織となるワーキンググループを設置することが決定され、今後は非公開の場で具体的な素案づくりが進められる見通しだ。

(群馬県教育委員会作成の資料から)
(編集部)
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