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【論説】許されぬ根拠なき「高校格付け」 いまこそ県や高校は声を上げるべき

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【論説】許されぬ根拠なき「高校格付け」 いまこそ県や高校は声を上げるべき

オピニオン

みんなの学校新聞編集局 
投稿日:2026.06.22 
tags:SNS 発信, tomo.okane, 群馬県かしこい高校格付け, 高校難易度Tier表

 インスタグラムに流れてきた画面を見て、思わず目を疑った。表示されていたのは「群馬県かしこい高校格付け(ランキング)」と題された投稿だった。

 画面にはFランクからEランク、Dランクといった区分が並び、それぞれに実在する群馬県内の高校名が分類されている。投稿者はインスタグラムアカウント「tomo.okane」氏。以前、本紙では同氏が公開した「高校難易度Tier表」について、実在しない高校名や他県の高校名が群馬県内高校のランキングに含まれていることや、評価根拠が不明瞭であることを指摘した。しかし、今回の投稿はそれ以上に深刻な問題を含んでいる。

 何を基準に分類したのかは今回も明示されていない。おそらく偏差値や進学実績などを参考にしたのだろうが、問題はその評価そのものではなく、付けられた名称だ。

 

 投稿では高校のグループ名として「最後の受け皿」「カオス高校」「地元で一番悪いやつ」「できそこないのこんにゃく」などの表現が使われていた。その下に実在する公立高校や私立高校の名前が並べられている。

 

tomo.okane氏の投稿のスクリーンショット(記載された高校名は編集部が削除)

すでに実在しない沼田女子高校が入っている

 

 これは単なるランキングや比較の次元を超え、悪質極まりない誹謗中傷だ。高校やそこに通う生徒、教職員、卒業生に対する侮辱的な表現と受け取られても仕方がない内容である。

 しかも、どのような基準でその評価に至ったのかという説明もない。根拠を示さないまま実在する学校を格付けし、揶揄するような呼称を与える行為に、果たしてどれほどの社会的意義があるのだろうか。

 

 確認すると、同氏はインスタグラムで約31万9千人のフォロワーを抱えており、フェイスブックでも同様の投稿を行っている。プロフィールには関西在住で官公庁向けコンサルティング会社に勤務する40歳と記載されている。

 フォロワー数を考えれば、その発信はもはや個人の独り言ではすまない。多くの人の目に触れ、学校や生徒に影響を与え得る情報発信である。

 

 日頃から学校現場を取材していると、どの学校にも真剣に学び、部活動や学校行事に打ち込む生徒がいることを実感する。また、生徒たちの成長を支えようと努力する教職員の姿も数多く見てきた。

 もちろん、ごくまれに問題行動を起こす生徒や教員が存在することも事実ではある。だが、それはその学校の一部であって全てではない。にもかかわらず、一面的なイメージだけで学校全体を評価し、面白半分にラベル付けすることには強い違和感を覚える。

 

 もし自分の通う学校が「最後の受け皿」や「できそこないのこんにゃく」と分類されていたら、生徒や保護者、教職員はどのような気持ちになるだろうか。少なくとも発信者がそのような想像力を働かせていたとは思えない。

 それぞれの高校には長い歴史があり、卒業生や地域住民の思いが幾重にも積み重なっている。だからこそ学校再編の話が持ち上がれば、卒業生や地域から反対の声や惜しむ声があがる。自分が卒業した高校が統合されたり廃校になることは「少子化だから仕方ない」と頭では分かっていても、それを受け入れがたい気持ちも共存する。その学校に関わった人たちの心中は複雑だ。学校とは単なる偏差値の数字で表されるものではなく、多くの人の思いが詰まった地域の財産でもある。そうした学校を、無関係な第三者が根拠も示さずに面白おかしく格付けすることを、社会はどこまで容認すべきなのだろうか。

 表現の自由は憲法で保障された民主主義社会の根幹をなす重要な権利の一つである。しかし、それは何を言っても許されるという意味ではない。批判や批評を行うのであれば、その根拠を示し、相手への配慮を忘れてはならない。

 とりわけ、実在する学校やそこに関わる人々の名誉や尊厳を傷つける表現については、発信者に相応の責任が求められる。

 群馬県教育委員会や各高校は、このような投稿を単なる「ネット上の冗談」として見過ごしてよいのだろうか。少なくとも、投稿内容の妥当性や表現の適切性について検討し、必要に応じて削除要請などの対応を行うべき段階に来ているように思う。

 学校はランキングのために存在しているのではない。そこで学び、働き、支えてきた人たちの尊厳を守るためにも、私たちはこうした発信のあり方を改めて問い直す必要がある。

 

みんなの学校新聞

編集長 峯岸武司

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編集部より 記事は配信日時点での情報です。

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